実況:新タ悦男 解説:加藤陽一

本日も実況・解説はGOOD。

ただ新タアナの言葉に「後が無い」が多かったかな?



全日本男子が消えても12チームの精鋭による戦いはここから始まるのですし、クォリティの高い試合はここから増えてくるはず。

ただ、放送予定を見て録画予約を入れておいても、なんだかバラエティ番組っぽいものが録画されていたりする今回の世界選手権。

せっかくスポーツ中継らしいバレーボール中継をここにきて見せてくれるようになったTBSですが、どの放送枠でどのカードが見られるのかがちっともわからないのが、ねぇ。



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野村 克也

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フランス戦の敗戦の原因はどうやら『15本のサーブミス』ということになっていったようですね。

しかし『サーブミスの本数』が敗因ではなく、正しくは『サーブミスの本数に見合ったサーブの効果が上がっていない』ことでしょう。

単純にサーブミスの数を敗因としてしまうと、サーブミスの数は減っても数字以上に相手に有利な状況を作ってしまう。



アルゼンチンのレセプションは、ネット際までレシーブを伸ばしてセッターにボールを入れており、高い位置でジャンプトスするセッターミドルブロッカーがブロック対応せざるを得ないため、直後にAクイックを叩き込まれたりパイプを使われたりしていた。

3セット目以降ガタガタしてしまったのは、これで組織ディフェンスが崩されてしまったためと考えている。



それにしても、スパイク総打数の25%もスパイクミスしている清水。

他のアタッカーもスパイクミスが多いことが目に付きます。

ディグが良いチーム相手だと、厳しいコースを突いていく必要が生まれてくるけれども、目安としては許容範囲はMAXで20%まで。

気持ちとしては10%以内にスパイクミスは抑えたい。



フランス戦のスパイクミス率

清水 27.2%(打数22)

米山 12.5%(打数16)

福澤 30.0%(打数10)

石島 20.0%(打数10)

越川 22.2%(打数9)



調子が悪い選手が一人いたとしても、それを他の選手がカバーできていればそれが「チーム」だけれども、みんなでスパイクミスを積み重ねてどうする。

単独のスパイクミスは目立たない事が多いけれども、このスパイクミスとサービスエースやブロックが絡んで連続得点になったりすると、試合の流れというのは一気に相手チームに移っていってしまうことになる。

これだけスパイクミスを出していれば、どうしても相手のサービスエースやブロックと絡みやすくなってくる。

単発ならばサービスエースもブロックも、それほどダメージにはならないのに。



アルゼンチン戦のスパイクミス率

清水 24.2%(打数33)

福澤 22.7%(打数22)

米山 13.3%(打数15)

石島 16.6%(打数12)



第1セットでいきなりアルゼンチンに9点まで走られた時、阿部とアタッカーのサインミス2本も実にもったいなかったけれども、清水と福澤が1本ずつ喰らったブロックも安易過ぎる。

バックアタックが白帯にかかってしまうケースはこの大会を通じて多く感じるし、福澤・清水ばかりかチーム全体がスパイクを打ち下ろし過ぎている印象がある。

あるいはアタッカーが自分でイメージしているほど跳べていないか。



「なんなんだ、このディグ力は!」と驚かされたフランス戦では、相対的に日本のディグ力は貧弱に見えました。

しかしこのアルゼンチン戦では、1・2セットとディグもよく上がっていました。

第2セットを取れたのも、日本がラリーを取れなくても素晴らしいディグでしつこいバレーを見せて、5000人入った会場が沸いて、ゲームを支配することができていました。



だからこそ、『決定率』や『効果率』ではなく、スパイクを決めきれなくても相手の攻撃を制限するだけの『崩すスパイク』があればもっと楽に戦えたと感じるのですよね。

サーブで相手を崩すのと同様、スパイクで相手を崩すことによってもっとディフェンスを楽に、そして切り返しの攻撃を楽にしていく状況を作っていく。

効果的なワンタッチとディグでラリーを作っていくことができていただけに、ゲームを支配していくチャンスは充分にあった。

スパイクで相手ディフェンスを崩していくという意識が見られなかったことがとてももったいない。



試合の中で決定率や効果率を参考に選手起用をしていくことは間違った事ではないけれども、もうちょっと数字に出にくい効果に目を向けることはできないものだろうか。

サーブで『決める』だけではなく、サーブで『崩す』効果。

それと同様の価値を、スパイクで『崩す』効果にも認め、安易なスパイクミスを減らしていくことが大事なはずだ。

両日のスパイクミスの数字を見ていくと、清水と福澤の数字が悪すぎる。

日本を代表するウィングスパイカーとしては、引き出しが少なすぎることも問題。





そしてもうひとつ。

アルゼンチンと言えばミリンコビックがいて、ライト側からどっかんオープン攻撃がドカンと来るという、1990年代型の相手にしやすいチームという印象を持っていたのですが、いつの間にか世代は変わっておりまして…

それでも『速い攻撃』というのがパラレルで襲ってくる印象はそれほどなく、所詮『時間差』の勝てない相手ではなかったと思うのです。



1・2セットのディグが良かったのは、ブロックディフェンスがかなりよく機能していたから。

それがおかしくなってきたのは、『敗因は15本のサーブミス』というフランス戦の敗因の解釈。

アルゼンチンのレセプション成功率は60.8%。



アルゼンチンのレセプションは『同時多発・位置差攻撃』の起点として、コート中央にボールを上げるスタイルではなく、あくまでもクイックを起点とした『時間差攻撃』の考え方の、ネット際のセッターにボールを送り込むスタイル。

これがセッター前衛で前2枚のディフェンス有利な状況で、セッターのジャンプトスにブロックが1枚付かざるをえない状況になると、そういう場面でアルゼンチンがクイックを使いはじめる。



『カットそこそこキャンペーン』を展開中の私ですが、長身セッターのこの効用は認めざるを得ない。

これが機能していたはずの日本のブロックを分断しはじめる。

アルゼンチンセンター陣の攻撃が決まりだして、日本のミドルブロッカーがセンターにコミットで合わせようとしはじめると、今度はパイプ攻撃が飛んで来る。

ただでさえミドルからの攻撃はフロアディフェンスが難しいのに、ブロックディフェンスがバタバタされては上がるものも上がらない。



そして結局、アルゼンチン戦の敗戦の大元は、フランス戦の敗因を『15本のサーブミス』としてしまった事にあるんだよ。

『サーブミスに見合った効果』というものをサーブに求めていれば、もっとサーブで攻めていける。

そして次のステップとして『それぞれのサーブの攻撃意図に基づいたディフェンスの動き』や『チーム全体としてのサーブ戦術』のような話が始まる。



サーブの攻撃意図が薄まれば、相手のファーストサイドアウト率も高まってくる。

ファーストサイドアウト率が高まれば、相手はどんどんサーブミスの数が増えるリスクを背負い込める。

リスクを背負い込めるなら、相手のサーブはどんどん強く厳しいものになってくる。



はい。日本ではこれを古くから「サーブレシーブが悪いから負けた」と言います。

そして「相手に簡単に得点を与えてしまうサーブミスはもったいない」と言い出します。



サービスエースを取れなくても、サーブで『崩す』方法はあるはず。

『崩す』までいかなくても、サーブで相手の嫌な攻撃を使わせない効果を狙うこともできるはず。

個々の力が足りなかったとしても、チームとして意図的なサーブを組み立てて相手を嫌がらせることもできるはず。



安易な敗因分析は、もうそろそろやめにしてほしいものですね。

バレーボールは将来、テニスのような競技になると言っている人の話も聞いたことがあります。



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