長野にいます。
全日本男子はなんと韓国に2連敗。
いやぁ参りました。来年のワールドリーグ出場権を得られなかった。
全日本男子は、ホーム&アウェイのワールドリーグでこれまで多くの選手を試して強くなってきたのに。

主戦セッターの宇佐美が手術明け。サブセッターの阿部が故障。
これはやはり大きかったなぁ。
今村、そして近藤が全日本セッターデビューとなったのだけれども、やはりまだいろいろと粗は目立つ。
今村はもう全体的にトスが低く流れる傾向。
バレーペディアを読み込んで、「高く速いトス」を理解しないとまずいな。
近藤のほうがトス質はよかったけれども、1日目はセンターを使えていなかった。途中投入の2日目は使えていた。

それにしても韓国を侮っていました。
6番のキャプテンセッターが良い。積極的にクイックを使ってくる。
『同時多発攻撃』ではなく『時間差』のレベルなのだけれども、ラリー中もクイックが軽々と飛び出してくるとなると、ミドルブロッカーの対処も難しい。

結局一時的に日本のブロッカーが止めてみても、センターの選手交代をしながら試合全体で使ってくるので、最終的に負けてしまう。
日本が2日間で取った2セットは、いずれもこのセンターのクイックを連続してブロックできたセットだけでした。

それからサーブがエグイ。
全てのサーブが白帯スレスレをえぐってくる。
練習のサーブと違って点を奪いに来るサーブなのだから、レセプションも練習どおりにいかなくなってくる。

やはりワールドリーグで修羅場をくぐってきたチームと、「生きた」相手との実戦をやってこなかったチームの差というのが出ていたな。
フィジカルも重要だけれども、今回は実戦で得るものの効果を軽視しすぎでした。


一方の女子はワールドグランプリファイナルの第1戦、対ブラジル戦で9年ぶりの勝利だそうです。
地上波中継を深夜見はじめましたが、寝てしまった。
20回戦って1回勝てるかどうかの相手に、今勝ってしまった。

世界選手権で勝てばよかったのだけれどもなぁ。
まだブラジルには10回戦って1回勝てるところまで、日本のシステムがシフトできているとは私には思えません。

どこかの大会前の真鍋監督のコメントに「アタッカーの準備が整わなくても、トスの精度が悪くても『速い』二段トス」なんていう話が出ていたけれども、実際はそんなことは見た範囲ではなかったような。
『世界一速い』と真鍋監督が豪語していた竹下-山本のホットラインのブロードが軽々と止められていた場面は見ました。
きちんと見ていないけれども、やっぱり取ったセットというのは①クイックが使えて②サイドアタッカーに十分な間合いを持たせるトスが上げられたセットなんじゃないの?


序文が長くなりました。
ここからはワールドグランプリの東京ラウンドの続きです。


それにしてもオランダ戦の竹下のディグの本数は驚異的でした。

後半はオランダが意識的に竹下にファーストタッチをさせていたと見ていますが、まぁその「パンケーキ職人」っぷりには感心はしたので、その時のフロアディフェンスのフォーメーションを確認しようとバレー教本を開いたわけですよ。

一般のシニアレベルでは、ペリミターと呼ばれるディフェンスフォーメーションを組みます。
サイド攻撃の場合、ブロックが2枚として、フロアディフェンス4枚が、コートの周辺部(ペリミター)に位置します。
通常、ペリミターフォーメーションでは、フェイント担当のレシーバーは置きません。
インナーに1枚・クロスに1枚・ブロックの延長線に1枚・ストレートに1枚。
この場合は4人のフロアディフェンスが強打やワンタッチに備えながら、フェイントにも対応する。

それが竹下がフェイント担当としてブロックに跳ばないことにより、ローテートインフォーメーション(マンダウン)になる。
これは実は、たいして強打の無い、せいぜい高校女子バレーレベルまでしか使われないシステムです。
男子の場合は中学の頃にたまに見かけたな。高校でこんなことをやっていたら、アタッカーは楽ちん。
なぜなら強打やワンタッチボールに対応するのはたった3人になる。
空中でコースを選択できるアタッカーならば、やりたい放題できる。

国際大会レベルでもなかなか女子にこうしたアタッカーがいないということが、なんとか成立させている原因だろうけれども、高校男子並みのスパイクに晒される他のレシーバーは大変だよなぁ。

しかし竹下が後衛の時はペリミターフォーメーション。
つまりフロアディフェンスが4枚。
相手オポジットがクロスにバシバシ打ち込んできても、クロス方向のフロアディフェンスの守備範囲が狭くて構わない。

つまり竹下はフロアディフェンスにおいても、他の選手よりもずいぶんと楽ちんなんじゃないの?

そして竹下が前衛の時に相手レフト攻撃に対応するこちらの前衛レフトは、ググッとライトのほうまでブロックに詰めている。
「なんで木村がこんなところにいるんだよ!」って、テレビを見ていてびっくりしたもの。
しかも真鍋監督は『速い二段トス』なんてことをまだ言っているんでしょ?
これではディグが上がってトスが上がってきたって、助走スタート位置まできちんと戻ってスパイクを打つのはものすごく難しい。
空中でブロックやフロアディフェンスを見切って打つ余裕もなくなるのだから、相手を崩すことも難しくなる。

どう考えても論理的じゃない。

こんなことまでさせられて、「日本は二段トスからの決定率が低い」なんてことを言われたりする。
「日本人は高さが無いから速さだ」なんていって、アタッカーの準備状況も構わないトスを上げようとする。
二段トスの攻撃力を高めるために何をするか…ではなく、「速いトス」が目的となってしまう。

二段トスが速くて相手のブロックが割れまくったから、日本はブラジルに勝てたのかなぁ?
帰ったら録画を見てみることにします。
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【閲覧中】システムではなくて約束事の構築がはじまった その4
2010年08月26日  [Web全体に公開]

2件のコメント


  1. byピース on 2010年8月26日 @18時13分

    こんにちは。



    昨日は負けたとばかり思っていて、試合を見ていませんでした…



    ショックです。



    男子もやっちゃいましたね。韓国に負けたらアカン。

    でもよく考えると、全く実践無しの強化方針もいかがなものかと。

    練習で得たものをすぐに成果として出すには難しいし、やはり実践を通して成長するものだと考えています。



    来年は、協会が方針として、WLに出ないチームと試合を数多くして欲しいです。







    二段トスはホントに大事ですよね。

    自分自身、サイドで二段を打つのはかなり苦手で助走がないと上手く打てません。

    全日本の試合では、なおさらサイドの選手が助走に入る時間が、重要だと思います。



    それを早く、高さにはスピードで勝つっていう方針はあまり納得いきませんね…kaz様もご指摘のように、すべて早くする必要は無いんですよね。



    とにかく全日本が満足することなく、成長を続けて行けば、希望はあると思います。







    竹下選手、トスがかなり近くなったりしますが代わりがいないんで頑張って欲しいです…






  2. bykaz10000 on 2010年8月28日 @11時00分

    >ピースさん

    いやいや、男子が韓国に負けたショックが尾を引いています。



    前回韓国と戦った試合をいつ見たのかチェックしていたら、2年前のOQTでした。

    選手も線が細かったし、今回も生で見ていてフィジカルの部分で負ける気はしなかったのですけれどもねぇ。



    フィジカル強化は重要ですが、適時試合を行って試合感…とくに修正能力などは磨いておくことも重要だとつくづく感じました。



    もう一個。なんだかヨーロッパのチームがアジアンバレーに負けた場合、こういう感情をいだくのかな?ということを全日本男子を見て感じました。

    つまり、チーム完成期にはこういうバレーボールには負ける気がしない。





    二段トスの重要性についてはさんざん発言してきているのですが、江畑・迫田という全日本経験値が低いアタッカーを生かすことを考えてしっかりとしたサードテンポのトスを考え始めたためか、かなり認識が広まってきましたね。



    これまでは何度言っても、このエントリーのコメント欄のような反応が関の山でした。

    なんだかいろいろもったいない・その3 日本体育大vs.筑波大



    唯一の不安はセッターが竹下佳江であるということ。

    彼女は全日本の活動があって前回Vリーグで合流が遅れました。

    まだ『コンビ合わせ』ができていない石川友紀に最初は打ちやすく石川の武器でもあるAチョンを打たせていましたが、チームに慣れてきたところで「(間違った)速さ」を要求しはじめました。



    結果としてブロックが2枚でもコースを切れる可能性がある石川友紀は「突くトス」を「打たされ」続けて1枚でも捕まる場面が増加。

    JTは対戦相手が最初に警戒するべき攻撃の決定力を失って戦力を大幅ダウンさせていきました。

    サイドアタッカーへのトスも、状況を考えずに低く流れるトスが目立ちはじめ、リーグも黒鷲旗も優勝を逃しました。



    追求するべき速さとは、「トスを上げてからアタッカーがスパイクヒットするまでの時間」ではなく、「複数の連携するアタッカーのスパイクヒットが想定される時間の差」であることを理解していないので、同じ事を何度でもやらかすおそれがあるのです。
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