さて、パイオニアの話。というか冨永こよみの話が中心。



冨永こよみといえば、昨年全日本に最後まで帯同しながら、どうしてセッターとしての出場機会が得られなかったのか疑問だったのですよ。

でね、昨年のVリーグ深谷大会でパイオニアの試合を見て理由はわかった

コートの中での動きがまだセッターになっていない。トス以前の問題。

この頃はまだまだラリーごとに成田郁久美が冨永の所に行って、毎回反省会をするような状況でした。



次にパイオニアの試合を見たのは川越大会。

この試合の様子はトゥギャッターにまとめてある。とりあえず成田塾からは解放されていた。





限定、シャア専用だって。





しかしバックトスがニアネットになる傾向は相変わらず。



そして最後に見たのはチャレンジマッチ。

試合レポート1試合レポート2

この時は試合内容がサーブの殴り合いだったなぁ。



その後全日本に召集されたものの、日本で見ることができる試合では冨永こよみの起用は無く、全日本の合宿メンバーに残っていたかどうかもよくわかりませんでした。



" target="_blank">こよみダイヤルストッカー 900 モカブラウン DS-050 " target="_blank">こよみダイヤルストッカー 900 モカブラウン DS-050


厨房卸問屋 名調

" target="_blank">Amazonで詳しく見る




しかしサマー決勝で冨永こよみのトスを遠くから見てびっくりしたのですよね。

男子コートから女子コートに移動して、まずはコートエンドからパイオニア中心に試合を見ることになった。

前回エントリーで書いた通り、冨永はとても垂直落下率の高いトスを上げている。

いや、アタッカーの最高打点に送り届けている・最短距離で運んでいる…という表現のほうが的確かもしれない。



冨永こよみだけではなく、最近はトスの安定感を欠いているように感じていた板橋恵も同様のトスを上げている。

うーん。こりゃ宮下監督、やるなぁ。



しかしこの短期間でのプレイの変化っぷりは、今までの女子バレーを見てきた中ではありえないレベル。

つまり指導者への盲目的(白痴的)信頼と長時間の反復練習で作られたステップアップではない。

ファーストテンポの理解という知的作業を経由したステップアップということを感じた。

スポーツは『知・心・技・体』。理論が自分の中で確立されることで、技術は徐々にではなく一気に次の次元に進む。

パイオニアセッター陣にそれを感じたのだ。



興奮してその夜の日本バレーボール楽会in名古屋でそのことを話題にしたところ、T.w氏からあるファンが " target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディアを選手にプレゼントしたという話を聞かされた。

おーやるなぁ。誰?お前か!

観戦仲間だった。



自分の好きな選手の技術的なダメ出しをされてアンチ俺になって陰で悪口を言っているような連中も、好きな選手に " target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディアをプレゼントしたりしたほうが前向きなのにね。

ちなみにアンチ俺のブログの内容についての具体的な反論は一度も見たことがない。

私はダメな考え方とかダメな技術とかダメなメンタリティとかを指摘しているだけなのだから、きちんとしたプレイを見せればけっこう素早くその選手を評価している。今回の冨永こよみのようにね。

何が正しい方向性なのかを理解しようとしない限り、記事内容への反論は無理なのだろうけれども。



" target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディア " target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディア
日本バレーボール学会

日本文化出版
売り上げランキング : 211238
おすすめ平均 : 5つ星のうち5.0

" target="_blank">Amazonで詳しく見る




冨永こよみのステップアップはセンターの香野晶子の敢闘賞受賞という結果をもたらしました。

香野は数字そのものは良かったわけではないけれども、センター線を生かせているように見えていたことの証明。

冨永を見ていて「これだけできれば、今はトスを上げていて面白くて仕方がないだろうな」なんてことを感じたのでした。

今回のサマーリーグのようなトスをリーグでも安定して上げ続けることができたら、来シーズンの全日本正セッターにしても面白くなるかもしれない。





パイオニアの他の選手についてもう少し。

以前から贔屓目の今野加奈子はスパイクフォームをわかりやすい形のサーキュラーに変えてきました。

もうすっかり佐々木みきっぽさは消えた。

これでサーキュラーというフォームを誰にでも簡単に理解するための技術入門的な選手は、パイオニアレッドウィングス今野加奈子と上尾メディックス皆本明日香の二人になった。



ちなみにこの二人だけがサーキュラーというわけではない。「わかりやすい」っていうだけ。

詳しくは " target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディアのスパイクフォームの話を読むべし。

ちなみに例に挙げている試合中の分解写真は、月バレ編集部が内容を理解できずに盛り込んだ写真なので参考にしないこと。

改訂版が必要なのよ。


[Web全体に公開]
| この記事のURL
前々回のエントリーで冨永こよみのトスを見てびっくりした話に触れたのですが、今回はその1で書いた

相方が、『理屈はわからなくても目で見てはっきりわかる<速くて早くて高いトス≒ファーストテンポ>の見分け方』を発見した。

これについて書いていくことになります。



以前から『良いトスは放物線を描かない』ということを折に触れ主張してきておりました。



Vプレミアリーグ決勝から発展したついったーでの話がこれ。





『ボールの垂直落下率』とは、頂点を越えた後のボールは垂直落下率が高くなればなるほどアタッカーが打ちやすい(ブロックに対処しやすい/あれこれやりやすい)という考え方の最近の私の表記方法です。



その後5月に " target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディアが発売されて、ついったーでは技術話もますます盛んに行われるようになりました。

エースを張ってきた経験のあるみなさんとついったーで「良いトス」について語る機会も増え、やはり接戦や負け試合で全てのトスが集まってくる修羅場の経験を持つ人は今のところ全員同様の意見を持っていることに意を強くしてきました。



逆に戦況の悪い試合を全てを背負った経験も無く、悪い状態から上がってくるトスや二段トスの中から「少しでも良いトス」を選んで①とりあえず返す②相手を崩しにいく③決めに行くの判断を常に迫られる経験というのを全く持たない人から見ると、「日本人は高さが無いから速さ」という思考停止の考え方が心地良いようで、このコメント欄のコメントのようなことを言ってくる。



私は身長175センチありませんが、バレーボールをしていて「高さの前に敗れた」ことはありません。

オープンを自由自在に打てることは最後の局面でエースに求められる基本条件なので練習は熱心にやっていましたが、速さも追求していました。



一期上の先輩セッターが超高速バレーの信奉者で、試合開始直後はだいたい本人のツーから入る。

試合開始早々、2回連続でツーなんてことも平気でやる。

続いてぶん殴り系の速攻や、頂点が存在せずそのまま壁に向かうような平行を上げる。



しかしそれは「高さが無いから」ではなくて、「対処できない速さを見せ付けることで動きの遅い大型チームをぎゃふんと言わせるため」です。

試合開始早々ってのが一番『自分たちのバレー』をやりやすいでしょ。

ファーストインパクトで試合のペースを掴んだら楽ちん。

我々の代になった次の年も、私の連続サービスエース狙いから試合をスタートしていました。



とにかくこの先輩、この当時全日本女子でセッターをやっていた中田久美よりも乱暴なトスを空中で待ち受けて打つために、多少タイミングが狂っても空中のどこかでトスとの接点を持つように助走ルートを変えつつ、助走スピードを上げる努力を続けたりもしてきました。

ああ、当然、今時の日本の女子選手に多く見られるような、助走の歩数を減らして間に合わせるなんていう間違った小手先のアプローチはしません。

高さとパワーを生み出すのが助走。これが無きゃ空中で何もできないじゃん。

アンテナ側ネット際より侵入する迂回ルートを成立させるために、ファーストステップと予備助走を2歩付け加えて成立するようにしていく。つまり3歩プラス。

球速が無茶苦茶速くて頂点も存在しないけれども、当時の中田久美と違ってトスの軌道は一定なので、空中で交差する一点で叩き込めれば全てマイナステンポの攻撃になる。



他人の嫌がる事を進んでやるのがバレーボール。

「これしか方法が無い」と自分から勝手に追い込まれた状態で思考停止しながらバレーボールをやっていて面白いか?

バレーボールほど発想次第で自由で面白くなるスポーツは他に無いぞ。



『ボールの垂直落下率』については全日本女子でもようやく竹下佳江が少し感じ取ったようで、この方向のサードテンポのトスが江畑や迫田の活躍に繋がりました。

そして木村沙織が大活躍だった要因もここにある。

木村沙織が進化したと見るよりも、竹下佳江がまともなトスを上げたと見ている。



逆に全日本男子ではこのあたりの理解が進まなかったようで、リベロの永野がリーグとは違うひどいトスを上げていたりした。

スポーツは『知・心・技・体』なんだよ。論理性の帰結。

全日本女子の真鍋監督が最近言い出した、『アタッカーが打てなくてもいいから速い二段トス』なんていうのも、永遠に結果が出ないことは賢いバレーボールファンならみんなわかっていること。



" target="_blank">ボールが止まって見える!—スポーツビジョンレベルアップ講座 " target="_blank">ボールが止まって見える!—スポーツビジョンレベルアップ講座
石垣 尚男

スキージャーナル
売り上げランキング : 476984

" target="_blank">Amazonで詳しく見る




当初のサマー決勝での観戦予定ではパイオニアの試合を見るつもりはなかったのですよね。

しかし初日に男子コートからパイオニアのスパイク練習を見ていて冨永こよみが素晴らしいトスを上げているのを見かけて、女子コート側に移動した。

そして二日目も日立リヴァーレとパイオニアレッドウィングスの試合をコートサイド側から見ることに。



試合前のパイオニアのスパイク練習をじっと見ていた相方は、突然大声を上げました。

ボールが止まる!



どういうことかと私も『ボールが止まる』という目線でパイオニアセッターの冨永こよみが上げるトスを見つめる。

なるほど。レフトに上げる平行気味の早いトスが、ボールの頂点で一瞬止まる。

つまり私の表現だとボールのアンテナ方向への運動エネルギーが失われて、失速して一気に垂直落下に移る瞬間、確かにボールが止まって見える



相方も " target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディアは読み込んでいたけれども、「バレーどころかスポーツの経験も無いし、私には理解は無理」と言い放っていた『テンポ』の話。

しかし読みながら培っていた知的作業の経緯を経て、『良いトスはボールが止まって見える』という言葉を発見した。



ひとつの事が見えてくると一気にいろいろなものが見えてくるもので、「どうして」とさまざまな事例に疑問が湧きあがってきてはすぐに腑に落ちていく。

うるさいことうるさいこと。

でも思考の経緯によって突然何かが見えてくる快感っていうのはたまらないものですよね。

とても心地よかったようで、本人はこっそりブログを開始してまた見たもの感じたものを思考することをはじめました。

相方は一人でじっくりやりたいらしく、本人の希望でリンクは貼らないけれども。



『ボールが止まって見える』という表現の発見に私も興奮してついっとしたところ、こんな実証的データの返信がありました。

ええ、こんな返信をしてくれるのは、suis annex weBLOGのT.w氏。

こんな内容でした。

実際に、ボールが落ち始める直前直後、高さがわずか±5cm変わる間に0.2秒もかかります。RT @kaz10000: 行き足が止まって落下に移る瞬間、ボールが止まって見える。 #vabotter #volleyballJP



この止まった瞬間にスパイクを叩き込むのがファーストテンポ

落ち際の止まっているように見えている間にスパイクを叩き込むのがセカンドテンポ。

そして止まる前にスパイクを叩き込むのがマイナステンポ。



そしてこのいずれもアタッカーがスパイクを打つ打点は最高打点でフルスイング。

つまりアタッカーはトスが来るのを空中で間合いを作ってすでに待ち受けているようにも見えるはずです。



そして最高打点でしっかりと叩き込まれるからこそ、それを阻止しようとするブロックをきちんと完成させるためにはより素早い判断と迅速な移動ときちんとしたジャンプが求められる。

これこそが他人の嫌がることを進んですること。

バンチからのリードブロックでは『はやいサイド攻撃』に対処するには間に合わなくなって、スプレッドやデディケートにシフト変更したり、コミットさせたりすることに繋がる。

そうすると相手のブロックシステムに空白が生まれるので、他の攻撃が決まりだす。

しめしめ。



しめしめこそバレーボーラーのスピリッツ。自分から仕掛けて相手を嫌がらせる。



相方はバレーボール競技経験どころかスポーツ経験も無いながら、この言葉を生み出した。

ってぇことは、バレー経験が無い全ての人も、良いトスを見分けられるようになれるということ。

さぁ、今すぐ、お手持ちのバレーボールの試合の録画を見て、良いトスの見分け方を習得してみてください。



日本中のバレーファンが全日本の馬鹿な取り組みに『NO』を言えるようになれば、無駄な遠回りはしなくて済んで、強化がもっと短い時間でできるようになるはずです。


[Web全体に公開]
| この記事のURL
女子の第1試合、日立リヴァーレとJTマーヴェラスの試合を見ていたら、男子 FC東京のコートにリリーフサーバーとして上場雄也が入ったのでした。

上場といえば、つくばユナイテッドを楽しもうとしている身としては「この裏切り者〜」なわけですが、あの細い太もも周りを手で測らせてもらった縁がある身。ついつい気になって見ておりました。

サーブで連続して引っ掻き回している。やるねぇ、上場。

その試合で上場は前衛でも起用されるようになっていましたが、チラ見しかしていませんでした。



女子の第一試合がいきなりフルセットで、疲れたしおなかもすいていたので、すでに第二試合が始まっている男子のJTサンダーズ対警視庁ピーポーズの試合を眺めながらお弁当を食べようと、男子コート側に席を移動。

日頃は男子Vリーグを追っているわけではない私、坊主頭のJTの選手を全て徳元と認定する『徳元幸人ゲーム』をしながらまったり男子の試合を観戦しているうちに女子の第二試合も始まり、のんびり二試合同時進行観戦をしていました。

試合後発見した甲斐だけは「あ、甲斐だ!」と徳元認定せず。



テンションが上がったのは男子の第三試合、つくばユナイテッドサンガイア対FC東京が始まった時。

この時はつくばエンド側に席を移動していたのですが、なんとFC東京の5番と28番が対角。

つまり上場と、世界の前田和樹が対角を組んでいるのです。



前田といえば昨年全日本のワールドリーグで、ロシアをアウェイでぶち破った時のオポジットスーパーエース。

上場といえば昨年つくばのサマーリーグで、JTを藤沢でぶち破った時のオポジットスーパーエース。



オポジットスーパーエースタイプが二人もコートに入っているぞ!とびっくりしてオーダーのメモを取る。



17橋場正裕   5上場雄也  18山本雄史

26木村泰輔  28前田和樹  10山岡祐也

Li:3福田誉




メモを取ってもV公式を参照するのが俺様クォリティ。だったら自分でメモ取る必要ないじゃん。





オポジットにスーパーエースタイプを対角で組ませると、「セッター『対角』」の意味の「オポジット」という言葉を使うのはおかしなことになる。



この先の話のためにちょっと補足を入れておきます。

現在シニアレベルで一般的な、『バックオーダー』による『S1』ローテーションはこのようになります。



4オポジット  3センター  2レフト

5レフト     6センター  1セッター




上の『レフト』と『センター』というのは位置を示す用語。これは同時に役割を示す用語でもあるので、このあたりがややこしいことがバレーボールのファンが増えにくい要因のひとつかと考えるのですが、『レフト』というのは前衛で左側からの攻撃を主に担当するプレイヤーと考えてもらってよいでしょう。

『セッター』というのは位置を示す要素は無くて、役割だけを示す。

そして『オポジット』というのは単に『対角』という意味。唯一役割だけを示す『セッター』の『対角』だからオポジット。



数字はコート上のゾーン(位置)を表します。

ワンセッターのチームが大多数な関係もあり、セッターがどのゾーンに位置しているかでローテーションを把握するようなこともします。
現場ではわかりませんが、観戦仲間同士で「どうもS4ローテでサイドアウトがなかなか取れねーな」みたいな話をすると、どのローテーションの状況かが一発でわかる。

日頃からバレーブログを読むようなバレーファンなら " target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディアも当然購入してしっかり読んでいるはずなので、そろそろバレー中継の解説者も「このセットは『S2』からスタートです」というような使い方をしてくれてもいい。

そして少し突き放して『用語』の説明をせずに『意図』の解説に時間を割くことで、地上波でしかバレーを見ないファンにもバレーボールのローテーションに関する意識を高めていくことになると思うのですが。



もうひとつ。『バックオーダー』について説明をしておく。

『セッター』と『オポジット』を、前衛でプレイする位置上の呼び名で書くと『ライト』になります。

並びを見てください。



R C L

L C R




前衛側の並びが逆ですよね。だから『バックオーダー』。

後衛側の並びが順だから『バックオーダー』という解釈でもいい。

要するにこういう並びがバックオーダー。



配列にはもう1パターンしかない。

L C R

R C L




現在『フロントオーダー』は主流ではないので『バックオーダー』じゃないから『フロントオーダー』という覚え方でもいい。


なぜバックオーダーが主流になったかというと、レセプション分業制やオポジットのスーパーエース化をしていくとそのほうが都合がよくなるから。
この用語を知っているからどう、ってことは無いのですが、ブログでオーダーを伝えたりするコミュニケーション時にあると便利な識別用語なんですよね。

例えば

「私のチームはフロントオーダーでS5が基本。私はレフトで1か2でスタート。」

これだけでおぼろげながらチーム構成はわかるし、わかる人には私のサーブ攻撃論者っぷりがそれなりに実力を伴っていたこともわかる。



…あれ?W型レセプションフォーメーションで前列中央からの配置が途中から無くなって左2回右1回だったから、クイックの見せ場が無くなったことを思い出した。

代替わりして出たインハイ予選の後、バックオーダーを試したことは覚えているのだけれども、元に戻した時に前2枚のローテを増やされていた。



どうやら海外にはこうした用語は無いようで、過去の日本のバレーボールがローテーションの細かいことにまで思考と工夫をしてきた証明でもあります。

こうやって状況を伝えるのに便利な用語ですし、10年以上もTV地上波でバレー解説をしている人がブログで『バックオーダー』をS1ローテで前衛がR−C−Lで並ぶ状況を示す用語と勘違いしているのではないかと思われる使い方をしていたので、一応書いておきました。







話をFC東京に戻す。

国内男子バレーを熱心に追っているわけでは無い私ですが、顔と名前を知っているオポジットが対角を組んでいるのを見てびっくりしたのですよ。

というか、この場合は「オポジット」という用語を使うのは適切ではなくて、「ライトに置くスーパーエースタイプ」。つまり右側からの攻撃を中心に行う、レセプションよりも攻撃力重視の役割を重視するウィングスパイカー。



で、これはどういうことなのかとメモを取る。

17橋場正裕   5上場雄也  18センター

26センター  28前田和樹  10山岡祐也(セッター)




考え方としては

① バックオーダーで、レフトにセッターを置くシステム

② フロントオーダーで、レフトに「ライトに置くスーパーエースタイプ」を2枚置くシステム




Stay Foolish「オポジット≠いわゆるスーパーエース」を読むと、どうやらFC東京は②の概念でこのような配置をしているらしい。

男子では最近、フロントオーダーが増えてきているのかな?

ちなみにオポジット(セッター対角の意味で使用)の橋場は役割上はレフトに位置して、リベロと共にレセプションの中心を担っていた。



これは以前からの構想で、その補強で上場がFC東京に誘われたのかという疑問が湧いたので、以前目にしたチャレンジマッチの時のオーダーを調べようとしたら…V公式ったら「リニューアルのため工事中」だって。断念。



しかしS4ローテーションで橋場が後衛に下がった時に、後衛の配置がリベロ-上場-橋場となっていて「あれ?」って思ったのですよね。

オポジットスーパーエース的な役割を考えると、リベロ-橋場-上場にするのが自然。バックアタックが2枚になる。

どうやら橋場も同じことを考えたようで(レフトアタッカー的発想なのかな?)、上場がバックセンターからバックアタックを打った直後にリベロに配置の確認をしに行っていた。

リベロは「これでいいのだ」と言ったようで、上場を呼ぶこともなく橋場の意見を却下。橋場不納得。俺も不納得。



こういう様子を見ると、第1試合の上場の活躍を見て前田&上場を一度に試合に出すために、けっこうアドリブでこのようなオーダーを組んだのではないかと感じるのですよね。

でもなかなかクリエィティブで面白い。

ちなみに次のローテでは何も言われずに上場はライト側で守備に入った。前衛の攻撃力のバランスですでにシステムとして固まっているのかな?

だとするとこのオーダーは事前に考えられていたことになる。



リーグが始まってしまうとVリーグのチームは外国人選手を補強します。

最も一般的なのは攻撃力の補強で、オポジットスーパーエースタイプの獲得というケースがほとんどとなる。

『オポジット』の枠は1つしか無いので、そうなると日本人のオポジットスーパーエースタイプはリーグで試合に出場する機会に恵まれない。

全日本を編成する時に、日本人のオポジットスーパーエースタイプが育っていなくて困る…という構図を男子バレーファンからはよく耳にします。



でもこのシステムなら、外国人スーパーエースタイプと日本人スーパーエースタイプを併用できる。

FC東京が今年も外国人センターを獲得するなら、一気に二人のスーパーエースタイプを起用できる。

今後細かいところを詰めていく必要はあると思うけれども、こういうポジティブな発想によるフロントオーダーは見ていてわくわくする。

戦術系FC東京ファンが今後の試合レポートを通じてこのあたりの面白さをブログで伝えてくれると、きっと続くチームも現れて日本のバレーボール界がひとつ柔軟性を増していくことになると思うのだ。

脳味噌の柔軟性はバレーボールにおける「強さ」の条件の一つ。





ああ、ネガティブな発想によるフロントオーダーというのは、女子バレーを中心に見ている我々も見たことがあります。

本質的にレフトプレイヤーの高橋みゆきと竹下佳江が前衛で並ぶローテーションを無くすために、高橋みゆきをオポジットに入れてフロントオーダーにする。

「工夫」は感じられるのだけれども、発想の根本がネガティブだから、こちらのほうはちっともわくわくしなかった。


[Web全体に公開]
| この記事のURL
さて、バレーボール教室の話も終わっていよいよサマーリーグの決勝リーグについて。



サマーリーグというのはその成り立ちの目的を考えると、「勝った負けた」を争うことが第一義の大会ではないのですよね。

それぞれのチームの『強化目的』があって、そこに充分な成果を感じられたならば、たとえ試合は全敗でも勝利条件は満たしたことになる。

もちろんチームが成果を実感するには『試合の勝利』が一番わかりやすいのですが、『強化目的』から軸がぶれてしまっていたり、流れや勢いで試合に勝ったりしたのでは大会の意義からすると本末転倒となってしまう。



試合結果だけを伝えられて「好きなチームが勝った」と喜んでいるだけではいけない分、見る側にもいろいろなことを求められる大会です。

今のバレーボールを扱うメディアのほとんどに「見てわかる結果」以上のものを伝えてくれるという期待が持てない以上、できる限り現場で試合を見ておきたい。

「強化」を目的をした場合の各チーム監督の采配なども見ていて面白いポイントです。



今回はサマーリーグ決勝リーグで、この『強化目的』を充分に果たした女子チームを私が個人的にランキングにしてみたいと思います。



男子チームは日頃から追って見ているわけではないので、私にはランキング化できません。

どなたかやってみてください。





サマーリーグ女子2010 最終成績



1位 東レアローズ(2勝1敗/セット率1.4)

2位 パイオニアレッドウィングス(2勝1敗/セット率1.2)

3位 日立リヴァーレ(2勝1敗/セット率1.0)

4位 JTマーヴェラス(0勝3敗/セット率0.67)


参考:http://www.vleague.or.jp/standings2/season_id=489&round_id=6





「勝った」「負けた」と目先の結果だけしか見えないと、東レファンはバンザイ、JTファンはがっかり…ということになるのですが、リーグに向けた選手強化をサマーリーグの『目的』とすれば、それなりの大会の使用方法があって、「勝った」「負けた」以上に『効果』が求められる。

日頃はバレーなんて見ない大多数の地上波系バレーファンはともかく、一年中バレーボールを見ているファンがこういう目線を持っていれば、例えば全日本女子の今年のワールドグランプリの使い方のようなことはなくなっていくはず。



こういう視点を提示していると、どういうわけか「負けてもいい」と言っていると思われるんだよなぁ。

・本番の勝負での戦い方を考えてチーム作りをイメージする。

・チームのウィークポイントなどを分析して、重要度の低い大会を課題を持って戦って強化をしていく。

・対戦相手との現状の戦力差を分析して、現実的な『目標』を立てる。

・課題に対する『達成度』を目標達成度とゲームの内容から判断して、次のステップへの課題の修正を行う。


これってさぁ、ある意味「メダルが目標」といいながら試合に負けて「課題が見えた」と言い続けるより難易度は高くないか?



ちなみにオリンピックで金メダルを目指すアメリカ女子チームの世界選手権での目標はベスト8だそうです。

ちなみにアメリカ女子チームのワールドグランプリでの最終成績は優勝。



これだけのチームが結果に対する『目標』をベスト8に設定してくるということは、技術・システム・戦術などの個々の課題の設定がとても高いということが想像できる。

大林素子の大好きな「ムード」とか中田久美が大好きな「勢い」とか吉原知子が大好きな「リズム」とかを排除してもしっかりとベスト8を獲得してやろうという意気込み。

オリンピックでは必ず結果を出してくる強いチームからは、こうした最終的な勝利へのアプローチ方法も学んでいきたいものです。





試合をスコアをつけながらシカメツラで見ていたわけではありませんが、「今回はこのチームにとっていい大会になったな」と感じることが多々あったので、見た範囲でサマーリーグ決勝を有意義に使えたチームをランキング化してみます。



kaz10000が選ぶサマーリーグ女子2010決勝リーグを有意義に使えたチームランキング



1位 パイオニアレッドウィングス(監督:宮下直樹)

今回は茨城県のチームを中心に観戦するつもりで、本当はパイオニアの試合は見ない予定だったのですよ。

しかし男子コート側でつくばユナイテッドを観戦中に遠目で見た冨永こよみにびっくりした。

いやいや、眉のライン処理なんかの手入れが行き届いて冨永が色っぽくなったとか、「ありゃ男だな」とか、そういうことではなくて、トスが飛躍的に向上していたのです。

女子コートに移動して、パイオニアを中心に試合を見ることにした。



リーグでシーズンを通して安定して今回のようなクォリティをキープできるようなら、来年は全日本の正セッターでもいいな。

それくらい驚いたので、パイオニアについては別個エントリーを上げます。



2位 日立リヴァーレ(監督:菅原貞敬)

リヴァーレは以前から好きで、リーグでもよく見に行っているチーム。

毎年毎年、この時期は戦力的にも課題は多いチームなのだけれども、いろいろ取り組まなくてはいけない課題を一個一個潰しているのは充分感じられました。



以前から試合もよく見ている好きなチームなので、こちらも単独エントリーを立てます。



3位 JTマーヴェラス(監督:石原昭久)

石原監督といえば、サマーリーグではリーグで起用していない選手をフルに使ってくる監督なのですよ。

全日本などに選手を数多く持っていかれているのですが、アップゾーンにいる選手は谷口雅美・吉澤智恵・石川友紀・川原麻実と全日本Bくらいは組めそうなメンバー。

川原は初日の第2試合で起用されていたけれども、これは坂下麻衣子のコンディションがフルではないからでしょうか。

他のベテラン勢は何かあった際のバックアップとしてスタンバイはしていたけれども起用無し。

「何かある」は「試合に負けそうになる」ではないのがサマーリーグのサマーリーグたるゆえん。



坂下・川原・高木理江あたりはリーグでも起用機会が多いので、すでに「サマーでお試し」が必要な選手ではない。

このサイド陣がフォローする形で、セッターの河合由貴がなかなかいいトスを上げていたのですよ。



河合といえばセミ・オープンのトスの印象しか持っていなかったのですが、今回は平行やクイックも積極的に用いていた。

おそらく『テンポアップ』が河合の今回のオフシーズンの強化課題だったのでしょう。

パイオニアセッター陣と比べてしまうと、『ファーストテンポ』への本質的理解をしているとは言い難いけれども、以前からアタッカーが打ちやすいトスを心がけているようには感じられたので、良い方向へのステップは充分感じられたのでした。

理詰めのアプローチのほうが時間的には近道なのですが、間違った『低くて速いトス』の方向に走らなければまぁよし。



中堅サイド頼りの面も少しあるけれども、プレイしている姿を見るのは春高以来になる西山慶樹やプレイを見るのが初めての千葉智枝美にもかなりの打数を打たせていた。

次のステップとしては、センターに石川友紀を入れて、「毎セット5点以上をAクイックで取れ」というテーマなんかを河合に与えてみてはどうでしょう。



あと細かい動きで気になったのは、初日のリヴァーレ戦後に石原監督が坂下に、スパイクインパクト後のフォロースイングの軌道についてアドバイスをしていたところ。

坂下は腰痛でも抱えていて、着地に影響するフォロースイングの改善にでも取り組んでいるのかな?

利き腕と同じ足側にフォロースイングの手を運ぶ動きは、ピンポイントを狙うスパイクの軌道を安定させるためにも私はやっていたことなので、空中での旋回が激しいスパイクフォームで打つ人には私もお勧めしておきます。



少し心配なのは、せっかく選手にいい傾向が見られてきても、いざ本番になると石原監督はあまり大胆な選手起用を見せないこと。

理詰めのアプローチではない分、河合にはパイオニアセッター以上の実戦経験が必要になってきます。

なんとかスイッチバック以上の起用をしてみてもらいたいところです。



4位 東レアローズ(監督:菅野幸一郎)

今回はセッター田代佳奈美の育成大会だったようでした。

セッター中道瞳で、宮田由佳里・築地保奈美の両センターをいよいよ本格的に鍛え上げるかと思っていたら、そうでした、大山未希がビーチに転向したのでした。

サブセッターの準備が急務。



ただ、この田代にきちんとテーマを持って戦わせることができていなかったと感じるのですよね。

最初のリヴァーレ戦での高田ありさ頼みのトスを見て、とりあえずトスがどうこうというのは感じないけれども、それで?…という感じ。

菅野監督はリヴァーレ相手にまさかの劣勢で、勝利のために森万里子(西脇万里子)を投入しますが、この「勝利のために」がサマーリーグ的には間違い。

田代を育成するのであれば、センターを使う意識を持たせないといけないのに、それをやっていないからレシーブはリヴァーレよりも高い数字を残しながら、2セットで西脇の打数が10というお粗末な配分。

ちなみにこのリヴァーレ戦、東レセンターの打数は合計38。

高田ありさがこの試合で一人で53本打っていることを考えると、センターの技量を考えたら少なすぎる。



初日2試合目となったパイオニア戦ではこっぴどく言われたのか、高田ありさの打数は19に封印して、センターの打数は3セットで33と改善される。けれども、22本は和田麻里江。

なんだかベンチで何を言われているのか想像がつくし、言われたまま何も考えずにやっているからこういった極端な結果になる。

この極端な結果が、相手チームの状況を見ながら自ら仕掛けてやる感のもとで出てきたのであれば、オーラを感じたりするものなのですが、残念ながらそういう感じではなかったのですよね。



2日目のJT戦はフルセットにもつれこむ淡白な試合に飽きて、表彰式をあきらめて途中で体育館を出たのですが、グダグダなJT相手にようやくバランスの取れた配分になってきたようです。

しかし途中まで試合を見た感じでは、リーグでの起用はまだ難しい。



セッターを育成するならするで、最初からセンターを固めて課題を与えれば良かった。

あわよくばセンターも…という宮田・築地の併用や、「勝利を」という目先の欲が軸をぶらしてしまったのが、今回の東レアローズ。

最優秀選手になった高田ありさは、リーグでの出場機会も多いし、サマーリーグで受賞して喜ぶレベルの選手ではない。

チームの底上げを考える上で、目に見える結果以外にほとんど成果を感じられなかったのが東レアローズだったのでした。


[Web全体に公開]
| この記事のURL
2年前に春日井でサマー決勝をやった時もバレーボール教室が行われていたのですが、その時はバレー教室終了まで観客の入場は待たされたのでした。

これにクレームがあったのか、暑い中外で入場者を待たせることへの配慮があったのか、今回は開場の予定時刻に入場が始まりました。

そのおかげでバレーボール教室の模様が一部見られました。



こうした取り組みはとても良いことなのだけれども、少しだけ見ただけでも残念なところがあったのですよ。

せっかくのVリーガーによるバレー教室なのだから、価値あるもの効果あるものにしていって欲しいですよね。



小中学生バレーボール教室が全て今回のような形ということは無いのでしょうけれども、改善していけば参加者にとってとても良い経験になるとも思うので、思ったことを書いておきます。





小中学生向けバレー教室を見てがっかり



①司会進行役の人がこなれていなくてがっかり

まず残念だったのが、マイクを持って進行を務めている方がこなれていなかったところ。

担当していたのは上の記事によると県協会の人のようです。



この司会進行役の人が2面張ってあるコートを動き回り、子供たちを盛り上げて自発的にいろいろなチャレンジをさせようとするような声かけをしている姿がありました。

こういう子供たちに主体性を持たせようとする語りかけは本来はとても良いとは思うのです。



しかし相手はバレーボールをやっている今時の子供です。

ほとんどの子供は「チームワークとは自己主張しないこと」と認識しているし、チーム指導者から『監督に隷属するチームワーク』を徹底的に叩き込まれている子供がいることも想像できます。



こうした傾向は子供ばかりではありません。

前回エントリーの自分のキャリアを自分で作っていくことを考えて行動することができない事例や、ミーティングが上意下達になっていると全日本監督が嘆くような状況なのが日本のバレーボールを取り巻く雰囲気。

シニアだってそのような感じなので、いくら呼びかけたところで、自分から一歩前に出てくるような子供はなかなか出てこないでしょう。

さらに言うと、こういうのは今時の傾向というわけでもなく、私がバレーボールをしていた頃もミーティングで発言したり練習方針に口を出したりするのはいつも決まったメンバーでした。

そしてキャプテン以外は「『和』を乱す奴」というレッテルを貼られる。



特にこういう場で主張を一切しない連中に限って、その場から離れたところで陰湿な言動をしたりする。

だけどね、練習で上手くなっていったり、試合で物怖じせずに活躍できるのは、「『和』を乱す」と言われるようなタイプの人間だけなんだよ。

チームの中で意見を主張できない人間が、対戦相手に対して主張…つまり効果的な攻撃ができるはずがない。

主張できる人間が集まって同じ目標に向かって意見を戦わせていくからこそ、チームが『本物のチーム』になっていく。

ビジネスでも同じなんだけれども、こういうことはまずはスポーツが世の中にお手本を示すべきこと。

こんな当たり前の事が世の中の常識になっていない段階で『スポーツ立国構想』とか、ちゃんちゃらおかしいんだ。



まぁ、バレーボールというのは長くそういう文化環境にあるわけですから、いつまでも反応しない子供たちに呼びかけをしていないで、チャッチャと指名してやらせてみちゃえばいいのに…なんてことを見ながら感じたりしていたのでした。

それから前回エントリーのVリーグ機構の記事を見ると、県協会から来た指導員は4名いたそうで、その記事を読んだ後は4人で役割分担をすればもっと効率がよかったのではないかと感じました。



今回一人の人がコート2面を動き回りながら小中学生に声かけをしたり、練習内容の指示をしたりしていたのですが、ここに時間の無駄を感じたのでした。

指導員が4人いるなら、男子コート・女子コートに指導員1名ずつを配置して、それぞれの進行役を担当させることができたのではないか。

そうすれば司会者は司会に専念できて、指示を徹底させたりするために2面あるコートを動き回っている時間ロスがずいぶん無くなったはず。

男子コート・女子コートそれぞれの進行役がいれば、集まった小中学生の中でも多少は前に出たがりの子を見極めることもできて、司会者の話に合わせてお調子者キャラややる気のある子を手際良く前に出させることができて、このイベントがもうちょっと面白いものになったかもしれない。



残った1人は、Vリーグ選手コーチに進行を徹底する役回りを担当させる。

そうすればいざ「練習」という段になって、Vリーグ選手が自分がどの場所で指導するのかを確認したりするような時間的なロスも無くなるし、選手たちから子供たちに「ここからここの人は向こう側で俺と一緒にやろうぜ」なんていう声かけも出てくるかもしれない。

全体の進行がテキパキしたものになれば、選手と子供が直接接触する時間も増えるし、その後の試合で自分に声をかけてくれた選手が活躍していたら、子供たちも応援に熱が入るってものです。



取り組みは間違った事ではないのだから、効率を追求して最大効果を発揮するような改善を期待します。





②スリーメンレシーブに選手の日頃の練習の意識の低さを見た気がしてがっかり



サーブ練習の後にスリーメンレシーブが行われたのですが、これがとても残念な感じでした。



それにしても今回参加していた小中学生のボールに対する意識レベルはひどいね。1メートルくらい上がっているのに、そのボールをつなごうという意識が見えない。

ひょっとして進行が冗長だったのでダレちゃった?あるいは体が冷えてしまったので『急激な運動は危険』と判断してセーブしていた?

もしかしたら最近の小中学生のバレーボールのルールは『上半身を床に付けたら反則』という風に改正されているのかもしれない。

・・・ということまで思ってしまうほどの内容でした。



「仲間が触れたボールをなんとしても繋ぐんだ」という意識付けだけでもできれば、このスリーメンレシーブは大成功だったと思うのです。

ギリギリの所に落ちそうなボールを追いながら『体育館の床を転げ回る快感』なんていうものもあるので、そんな面白さを煽りながら伝えていくことができたらベスト。



しかし指導しているVリーガー自身が小中学生の技術レベルをはかりきれていないためか、適度な追い込みができていませんでした。



コートに入った小中学生の連携でボールを戻すような形になっていたのは、男子コートで指導していた上場のところだけだったなぁ。

他の3箇所は「1対3の対人レシーブ」になってしまっていた。

ひどい所は「1対3のパス練習」。



『小中学生』という対象の括りが指導を難しくしてしまっている部分はあるかもしれません。

ただ、スリーメンの『目的』を考えたことがあれば、例え強打を打たなくても、例え選手が床を転げ回らさせなくても、『効果』を上げる『方法』はある。

それゆえにVリーガー自身がスリーメンレシーブの『目的』とか『方法』とか『効果』を考えたことが無いためではないかと疑いたくもなってしまったのです。



常に監督やコーチがいるわけではないチームで上を狙っていこうというような私がいたチームのような場合は、中学引退後に高校チームに合流した直後から指導者役もやらなくてはいけないことが多かった。

最初は見よう見真似でやるのですが、やっていくうちに練習目的を考えるようになり、短い練習時間で効果を上げるにはどうしたらいいのかを考えるようになる。

まずは正確に狙った場所にボールを落とすことを考え始め、ハーフスピードのボールをレシーバーが動いてギリギリ取れるかどうかの場所に正確に落とせるようにしたりできるようになってくると、次第に強打と軟打のリズムの転調を考えたり、スリーメンでもブロックコースで強打が来ない前提の場所には強打を打ち込まなかったりと、当時中学生なりに工夫をしていったものです。

もし今なら、『レシーバー同士の連携』とか『9メートル×9メートルのコート感覚』などもテーマに盛り込んでスリーメンをやるでしょうね。



打点も低くブロックの無い状態でスパイクを打たれるスリーメンに意味が無いという意見をネット上で時折見かけますが、決してそんなことはありません。

本格的な練習に入る前のウォームアップの最終仕上げ的な意味も私の場合は持っていましたから、汗の転調が遅くなる冬場の練習ではスリーメン練習の時間を夏場に比べると長めに設定することを求めたりもしていました。



あ、汗の転調というのは、体のウォームアップが完了すると、ドロッとしたニオイの強い汗からサラサラで無臭の汗に変化する事。

中学時代に読んだ星野仙一の本にこの事に触れた一文を見つけ、練習着を着替えるタイミング・消耗しやすい夏場の練習での体力温存の目安にしていました。

逆に故障しやすい冬場は、スリーメンを終える段階で転調しないこともあるので、集合前に行っている個人的なウォームアップの強度を増したりして自分の身を守る。

激しいプレイによる負傷は名誉だけれども、故障っていうのは不名誉だからね。

そして故障が多い選手は意識が低く頭が悪いからだとも思っている。



ボールが上がらなかったことで、指導者が近距離で強いスパイクを打ち込みながら選手を罵倒して追い込んでいくようなスリーメンにはたいした意味を見出せませんが、指導者と選手の意識があれば充分な効果があるからこそこの練習が昔からずっと消えずに残っているのです。



例えば「肩より高く上がったボールは全てオーバーパスで正確にコーチへのトスにしてやる」という意識でスリーメンに入っていれば…「サイドステップ後のパスが不安定だから、ステップを速くスムーズにしてボールに触れる前に静止状態を作ってやる」という意識でスリーメンに入っていれば…

こういった意識の積み重ねがプレイを向上させていくばかりか、コーチ役をやった時のボール回しにも反映されていくはずなのです。



常に監督やコーチが練習に参加して、練習メニューもしっかりしたものを用意されていて、充分な練習時間が与えられている中でバレーボールをやってきていると、練習の『目的』『方法』『効果』などについて考える機会は無いのかな?



" target="_blank">バレーボール練習メニュー200—考える力を身につける " target="_blank">バレーボール練習メニュー200—考える力を身につける
米山 一朋

池田書店
売り上げランキング : 10756

" target="_blank">Amazonで詳しく見る



[Web全体に公開]
| この記事のURL

429件中 11~15件目を表示


<< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >>