世界選手権の男子大会も終わってしまいました。

次は4年後か。

案外あっという間なんだよね。



TBSが中継した強豪勢同士のCS放送は、新タ悦男アナウンサーという飛び道具が誕生して、それはそれはコアなバレーボール中継になったのでした。

まさに革命的。

結局、解説にバレー好きタレントを置いておいても新タアナとまともに戦術トークをすることができず、バレー好きタレントはしどろもどろになった末にプレイヤーとしてのフィーリングの話をするだけになってしまったりしたのでした。

まぁこのバレー好きタレントは「リードブロックではサイドの攻撃がノーマークになってしまう」というとんちんかんな解説をしてしまう人ですから。



リードブロックは、バックアタックが高速化して前衛攻撃と連動しはじめた時代、全ての攻撃に3枚のブロックでとにかく対応しようということで生まれたもの。

つまり最低1枚ブロックが付いて、ワンタッチを取れれば、それでしめしめというもの。

そのワンタッチボールをいかにカウンターに繋げていくかということが重要になってくる。

キルブロックしか考えていないからへんてこな解説を続けている。



そうなると重視されるのはブロックディフェンスとフロアディフェンスの連携。

これがわかればブロックを抜けるコース正面で待ち構えているレシーブこそ、超ナイスディグだってことが見えてくる。

見えていないから飛びつくような見た目の派手なディグに大喜びするような解説を続けている。



そしてセカンドタッチを誰が担当して、いかに高い攻撃力を発揮するところまで持っていくのか。

相手に同じことをさせないためにはとにかくアタッカーに最大の攻撃力を発揮させることが重要。

スパイクが決まらなくても相手を崩せればさらにその次のチャンスは広がるのよ。

そのためにはどこから打つのかが見え見えの目先の速い攻撃よりも、複数アタッカーが攻撃に参加できることが重要。

そして個々のアタッカーがしっかりとスパイクを打てることが重要。

わかっていないと、低くて速い二段トスが素晴らしいなんていう解説をすることになる。



はい。そんなわけで正しい男子バレーは激しいラリーの応酬が見られます。

そして両チームがブロック戦術を状況によって変えていくことで、試合の流れが変わっていく様子が見られます。

セルビア対ロシアの準決勝が見た中では一番面白かったなぁ。

この試合は加藤陽一が解説をしていました。

ブロックの戦術転換を予測した実況・解説。その戦術目的がはまってくると試合の流れが逆転する。

その様子がよく伝わった。



こんな中継を地上波ゴールデンでやろうものなら視聴者の9割以上がついてこられないので、これをどう噛み砕いていくかというのがバレーボールをスポーツ中継として流すための味付けの部分となるのだろうけれども、これから行われる世界選手権女子の中継はどうなるでしょうか。





その面白かった試合を解説していた加藤陽一。

サマーリーグの決勝リーグではセッターをやっていて、それはそれはかなり残念な仕事ぶりだったのですよね。

3試合観戦する予定が、結局1試合で見るのをやめてしまった。



まぁでもセッターに転向してわずか半年くらい。

「伸び盛り」だから…ってことで、長い目で成長を楽しむことにしました。

その2回目を見ようとひたちなかまで行ってきました。



念願だった平成特急フレッシュひたちに乗る



乗ったのはオレンジのタイプ。

連邦かジオンかで分類すると、連邦の量産型なデザイン。



勝田駅で車輌の切り離しを見学

オレンジ4輌とグリーン7輌が連結された11輌編制。



勝田駅でチケットを購入してしまった



目的はキハ



キハっていうのは気動車(ディーゼルエンジン車)の箱型車輌の頭文字を取った形式名。

電化されていない区間を走る味のある鉄道。

ちなみに電化されていないから「電車」とは呼ばずに「汽車」と呼ぶ。



目の前に非電化単線の路線があって、時間があったら、当然乗るでしょ。

ひたちなか海浜鉄道
きっと地元の日立リヴァーレの選手たちも日常的に使用しているはず。



生き残っているベテラン選手って味があるよなぁ



さびれた路線かと思いきや、案外乗車率は高かった。

田んぼの片隅の何も無いところにあるような駅があったりもするけれども、いくつかの集落を結んでいることで生活路線としても成り立っているのかな?



天気が良かったので、ちょっと海まで散策しようと終点の阿字ヶ浦まで足を伸ばす。

体育館までも歩いて歩けない距離じゃなさそうだし、たぶん駅前にタクシーが1・2台はいるだろうと考えた。

うん。いなかったね。



歩いて体育館まで向かい、会場に着いたらちょうどつくばユナイテッド対中央大学の試合前練習が始まる前でした。

外でアップする中央大の選手たちの声で体育館の場所がわかった。

見通しが利かないし、ランドマークも案内表示も無い土地柄なので、道に少し迷いながらすげー歩いた。

道を教えてくれた自転車のおじさん、ありがとう。





すでにキハモードだったのでバレーの試合はあまりきちんと見ていません。



和井田が黒髪を伸ばしかけだったので、じーっと観察したくらい。

でね、加藤のトスは垂直落下率が高くなっていて、それなりにトスとして見ていられるようになってきた。

つまりアタッカーの最高打点に直線的にお届けしてもアタッカーが打ち切れる。



「アタッカーのヒットポイントに正確にボールを置く」のがセッターのお仕事です。

「どのアタッカーを使おうか」と選択することからセッターは『司令塔』と呼ばれます。



ブロックを割るなんていうのはセッターの個人技量でぶん投げるようなトスでやることではなく、セッターが相手のブロック戦術を把握して、その裏をかくことでやることです。

正しい『速さ』とはトスの絶対速度ではなく、ブロックの完成との相対的な速度なのです。



セッターがきちんとボールをアタッカーのヒットポイントに『置く』ことをやってくれれば、ボールは軌道の頂点付近で『止まって』くれて、その止まった時間内でアタッカーがブロックを見ながら打つタイミングを調整することもできる。

頂点で打つのがファーストテンポ。

落下加速度がつく前に打つのがセカンドテンポ。



翌日の皇后杯で、応援するチームのセッターがこの基本的なことを理解していないがために試合をぶち壊したのですが、それは後日。

速いトスを上げるとされるセッターの多くが、初速は速いけれども結果的にスパイクを打ちにくい放物線を描くダメなサードテンポのトスになっているのです。

誰にでも見分けがつくので、きちんと見分けて本当に良いセッターを評価していきたいものです。



とりあえずつくばユナイテッドは負けてしまったけれども、加藤陽一のトスの垂直落下率が高くなっていることを確認したので、安心してまたキハに乗りに行ったのでした。



歩きながら不安になっている時に道を教えてくれた農作業中のおばちゃん、ありがとう。



" target="_blank">鉄道6賢人イチ押し最強路線あいのり旅 ひたちなか海浜鉄道編 2枚組BOX navigated by JB [DVD] " target="_blank">鉄道6賢人イチ押し最強路線あいのり旅 ひたちなか海浜鉄道編 2枚組BOX navigated by JB [DVD]
鈴木おさむ,土田晃之

ポニーキャニオン2010-12-15
売り上げランキング : 16336

" target="_blank">Amazonで詳しく見る


[Web全体に公開]
| この記事のURL
実況:新タ悦男 解説:加藤陽一

本日も実況・解説はGOOD。

ただ新タアナの言葉に「後が無い」が多かったかな?



全日本男子が消えても12チームの精鋭による戦いはここから始まるのですし、クォリティの高い試合はここから増えてくるはず。

ただ、放送予定を見て録画予約を入れておいても、なんだかバラエティ番組っぽいものが録画されていたりする今回の世界選手権。

せっかくスポーツ中継らしいバレーボール中継をここにきて見せてくれるようになったTBSですが、どの放送枠でどのカードが見られるのかがちっともわからないのが、ねぇ。



" target="_blank">弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論 " target="_blank">弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論
野村 克也

アスペクト
売り上げランキング : 9125
おすすめ平均 : 5つ星のうち4.5

" target="_blank">Amazonで詳しく見る




フランス戦の敗戦の原因はどうやら『15本のサーブミス』ということになっていったようですね。

しかし『サーブミスの本数』が敗因ではなく、正しくは『サーブミスの本数に見合ったサーブの効果が上がっていない』ことでしょう。

単純にサーブミスの数を敗因としてしまうと、サーブミスの数は減っても数字以上に相手に有利な状況を作ってしまう。



アルゼンチンのレセプションは、ネット際までレシーブを伸ばしてセッターにボールを入れており、高い位置でジャンプトスするセッターミドルブロッカーがブロック対応せざるを得ないため、直後にAクイックを叩き込まれたりパイプを使われたりしていた。

3セット目以降ガタガタしてしまったのは、これで組織ディフェンスが崩されてしまったためと考えている。



それにしても、スパイク総打数の25%もスパイクミスしている清水。

他のアタッカーもスパイクミスが多いことが目に付きます。

ディグが良いチーム相手だと、厳しいコースを突いていく必要が生まれてくるけれども、目安としては許容範囲はMAXで20%まで。

気持ちとしては10%以内にスパイクミスは抑えたい。



フランス戦のスパイクミス率

清水 27.2%(打数22)

米山 12.5%(打数16)

福澤 30.0%(打数10)

石島 20.0%(打数10)

越川 22.2%(打数9)



調子が悪い選手が一人いたとしても、それを他の選手がカバーできていればそれが「チーム」だけれども、みんなでスパイクミスを積み重ねてどうする。

単独のスパイクミスは目立たない事が多いけれども、このスパイクミスとサービスエースやブロックが絡んで連続得点になったりすると、試合の流れというのは一気に相手チームに移っていってしまうことになる。

これだけスパイクミスを出していれば、どうしても相手のサービスエースやブロックと絡みやすくなってくる。

単発ならばサービスエースもブロックも、それほどダメージにはならないのに。



アルゼンチン戦のスパイクミス率

清水 24.2%(打数33)

福澤 22.7%(打数22)

米山 13.3%(打数15)

石島 16.6%(打数12)



第1セットでいきなりアルゼンチンに9点まで走られた時、阿部とアタッカーのサインミス2本も実にもったいなかったけれども、清水と福澤が1本ずつ喰らったブロックも安易過ぎる。

バックアタックが白帯にかかってしまうケースはこの大会を通じて多く感じるし、福澤・清水ばかりかチーム全体がスパイクを打ち下ろし過ぎている印象がある。

あるいはアタッカーが自分でイメージしているほど跳べていないか。



「なんなんだ、このディグ力は!」と驚かされたフランス戦では、相対的に日本のディグ力は貧弱に見えました。

しかしこのアルゼンチン戦では、1・2セットとディグもよく上がっていました。

第2セットを取れたのも、日本がラリーを取れなくても素晴らしいディグでしつこいバレーを見せて、5000人入った会場が沸いて、ゲームを支配することができていました。



だからこそ、『決定率』や『効果率』ではなく、スパイクを決めきれなくても相手の攻撃を制限するだけの『崩すスパイク』があればもっと楽に戦えたと感じるのですよね。

サーブで相手を崩すのと同様、スパイクで相手を崩すことによってもっとディフェンスを楽に、そして切り返しの攻撃を楽にしていく状況を作っていく。

効果的なワンタッチとディグでラリーを作っていくことができていただけに、ゲームを支配していくチャンスは充分にあった。

スパイクで相手ディフェンスを崩していくという意識が見られなかったことがとてももったいない。



試合の中で決定率や効果率を参考に選手起用をしていくことは間違った事ではないけれども、もうちょっと数字に出にくい効果に目を向けることはできないものだろうか。

サーブで『決める』だけではなく、サーブで『崩す』効果。

それと同様の価値を、スパイクで『崩す』効果にも認め、安易なスパイクミスを減らしていくことが大事なはずだ。

両日のスパイクミスの数字を見ていくと、清水と福澤の数字が悪すぎる。

日本を代表するウィングスパイカーとしては、引き出しが少なすぎることも問題。





そしてもうひとつ。

アルゼンチンと言えばミリンコビックがいて、ライト側からどっかんオープン攻撃がドカンと来るという、1990年代型の相手にしやすいチームという印象を持っていたのですが、いつの間にか世代は変わっておりまして…

それでも『速い攻撃』というのがパラレルで襲ってくる印象はそれほどなく、所詮『時間差』の勝てない相手ではなかったと思うのです。



1・2セットのディグが良かったのは、ブロックディフェンスがかなりよく機能していたから。

それがおかしくなってきたのは、『敗因は15本のサーブミス』というフランス戦の敗因の解釈。

アルゼンチンのレセプション成功率は60.8%。



アルゼンチンのレセプションは『同時多発・位置差攻撃』の起点として、コート中央にボールを上げるスタイルではなく、あくまでもクイックを起点とした『時間差攻撃』の考え方の、ネット際のセッターにボールを送り込むスタイル。

これがセッター前衛で前2枚のディフェンス有利な状況で、セッターのジャンプトスにブロックが1枚付かざるをえない状況になると、そういう場面でアルゼンチンがクイックを使いはじめる。



『カットそこそこキャンペーン』を展開中の私ですが、長身セッターのこの効用は認めざるを得ない。

これが機能していたはずの日本のブロックを分断しはじめる。

アルゼンチンセンター陣の攻撃が決まりだして、日本のミドルブロッカーがセンターにコミットで合わせようとしはじめると、今度はパイプ攻撃が飛んで来る。

ただでさえミドルからの攻撃はフロアディフェンスが難しいのに、ブロックディフェンスがバタバタされては上がるものも上がらない。



そして結局、アルゼンチン戦の敗戦の大元は、フランス戦の敗因を『15本のサーブミス』としてしまった事にあるんだよ。

『サーブミスに見合った効果』というものをサーブに求めていれば、もっとサーブで攻めていける。

そして次のステップとして『それぞれのサーブの攻撃意図に基づいたディフェンスの動き』や『チーム全体としてのサーブ戦術』のような話が始まる。



サーブの攻撃意図が薄まれば、相手のファーストサイドアウト率も高まってくる。

ファーストサイドアウト率が高まれば、相手はどんどんサーブミスの数が増えるリスクを背負い込める。

リスクを背負い込めるなら、相手のサーブはどんどん強く厳しいものになってくる。



はい。日本ではこれを古くから「サーブレシーブが悪いから負けた」と言います。

そして「相手に簡単に得点を与えてしまうサーブミスはもったいない」と言い出します。



サービスエースを取れなくても、サーブで『崩す』方法はあるはず。

『崩す』までいかなくても、サーブで相手の嫌な攻撃を使わせない効果を狙うこともできるはず。

個々の力が足りなかったとしても、チームとして意図的なサーブを組み立てて相手を嫌がらせることもできるはず。



安易な敗因分析は、もうそろそろやめにしてほしいものですね。

バレーボールは将来、テニスのような競技になると言っている人の話も聞いたことがあります。



" target="_blank">テニス丸ごと一冊サービス—テニスなるほどレッスン (Tennis Magazine extra) " target="_blank">テニス丸ごと一冊サービス—テニスなるほどレッスン (Tennis Magazine extra)
堀内 昌一,テニスマガジン

ベースボールマガジン社
売り上げランキング : 54162
おすすめ平均 : 5つ星のうち4.0

" target="_blank">Amazonで詳しく見る



[Web全体に公開]
| この記事のURL

2件中 1~2件目を表示


1