関東大学バレーボール 2010年度春季リーグ戦 女子1部 第8日

日本体育大 3 (21-25/25-19/22-25/25-23/15-12) 2 筑波大



筑波大スターティングオーダー

10(O)  09(C)  08(L)

13(L)  07(C)  01(S)

Li:03




体調を崩したので、今週末は関東大学バレー観戦を自粛。

我が家にも ">バレーボール百科事典 バレーペディア(Volley pedia)が届いて本の内容にも触れていきたいと考えているため、先週の観戦記を進めます。

ついったー界隈でもバレーペディアはけっこう売れております

感想や質疑応答などのついっとはこれからになりますね。私からも質問が出るでしょうし、私が質問に答える場面もあるでしょう。

疑問や質問が出てくるのは考えている証拠。



今回触れる内容はバレーペディアで「”スピード”ではなく”テンポ”」として組まれている記事と関連している、「はやさ」についての誤解が生み出している日本バレーの悪い例についての「もったいない」なのですが、まだ発売直後でもありますので、今回も誰もが見られるV・プレミアリーグ女子決勝から始まるセッターの技術論の話を前提に進めていきます。







アタッカーの能力を発揮させない低いトスがもったいない



スパイク練習を見た時点で、監督&主将セッターとサイドアタッカー陣のイメージのズレを「もったいない」と感じたのですが、今回は逆のサイドアタッカー目線で書いていきます。



サイドアタッカーが自分の助走スピードやジャンプの打点をきちんと把握して、踏み切りポイントを修正したりブロード量をコントロールできるようになれば、後はスパイクの助走スタートのタイミングなどでいくらでもコントロールできるようになる問題前回書いたように、セッターのトスはアタッカーが対処できる範囲のものに感じていただけに、試合前練習を見た時点で、サイドアタッカー陣に対する期待値はそれほど高いものではありませんでした。



しかし第3セット、筑波のサイドアタッカー陣を見直すプレイが出ます。

ファーストタッチで後方に飛ぶボールを、3番岩永麻里江(リベロ/160センチ/4年/九州文化学園高)がオーバーで二段のロングトスを上げます。

リベロがオーバーで二段トスを上げることは2010年現在当たり前のことで、別に褒めるようなことではありません。しかしこのトスはかなり長い距離のトスで、しかも「アタッカーに送り届ける」という意識を感じる高くて正確な見事なトスでした。

そこまでサイドに上がるトスは低いものばかりで、アタッカーは打ち切れずに見ていてフラストレーションを感じていただけに、印象的なトスでした。



「二段トスも低く」というのがチーム方針なのだとしたら、このリベロ3番岩永選手のトスはチーム内のシステムを崩す問題行動ということになります。

しかし、この時のレフトアタッカーは待ち受けるブロックをものともせず、ストレートにしっかりと打ち抜いた。

スパイクは決まらなかったけれども、相手のファーストタッチのボールは弾かれて、対戦相手の日体大はカウンターでセッターからの理想的な攻撃を使えなくなりました。

ここがポイント。





「ブロックを割ってやろう」「ブロックを1枚以下にするのが自分の仕事」というセッターと異なり、サイドアタッカー、特にレフトでエースと呼ばれる人種は全く異なった考え方をします。

ブロックは2枚付くのが当たり前。センター・ライトのマークがきつい時はレフトに持ってくりゃ2枚いたってなんとかしてやる。

ブロック2枚じゃどうにもならないとなれば相手は3枚ブロックに付いてくるはずで、それでもなんとかしてやる。

そうなりゃセンターライトはほぼノーマークでぶち込めるだろ。



こうしてブロックマークが付いてくる中で、どんなに乱れた体勢からでもできればスパイクを決めたい。少なくとも相手に理想的な攻撃をさせないところまで崩したい。

その任務を担当するのがウィングスパイカー(レフト/エース)なのです。



なんとなく数値化するならば、この時の筑波のファーストタッチは、理想的な形を100とするならば25くらいの低い状況でした。

リベロ3番岩永選手の二段トスはこれを30くらい修正して55の形でレフトにトスを持っていきました。

そしてレフトは80以上の攻撃強度で相手を崩すことに成功。相手のファーストタッチは20くらいの低い状況となりました。



相手は攻撃強度が高ければ高いほどファーストタッチが乱れます。

トスによる修正とアタッカーによる修正で攻撃強度を上げようとしてきますが、自軍の攻撃強度が高ければ高いほどたとえ相手の修正能力が高くても、相手の攻撃強度は低くなってきます。

そうなれば自軍は理想に近い形で攻撃を組み立てることができるようになり、次の攻撃強度を高めることができる。

悪い状況をこのように自軍に有利な体勢にしていくのが二段トスに求められたアタッカーの仕事で、日頃からブロックが最低2枚付いてくることを前提にアタッカーは練習を積み重ねています。



両チームがサイド攻撃の応酬で長いラリーを続けている状況というのは、この両軍の修正能力が拮抗している状態を表します。



このプレイの後、時折上がる高いトスに対する筑波のサイドアタッカー陣の攻撃に注目しました。

8番野末夏子(レフト/174センチ/3年/浜北西高)

13番池田智美(レフト/178センチ/1年/古川学園高)

10番彌永衣利(いよながえり/オポジット/175センチ/2年/津商高)


3人とも高いトスに関してはスパイクを気持ちよく打ち切れているので、練習段階で低かった評価を見直す。



チームが「低くて速いトス」を指向しているがゆえに、このトスに対応しきれていない3人にとってはマイナス方向の修正能力しか発揮させない形になっている。これが実にもったいない。

おそらくベタベタのサイドオープンバレーを展開すれば、センターからのクイックも決まっていただけに、筑波は3−0のストレート勝ちができたのではないでしょうか。



筑波は手書きスコア・PCでのデータ入力(データバレー?)・ビデオ収録(&実況中継ボイス)と、スタッフ数が少ない中でフルに情報を収集していました。

せっかくデータを取っているのだから、トスの高さで一定の基準を作って、トスの高さ別のアタッカー別攻撃強度と相手ファーストタッチの効果を集計してみると良いのだ。

おそらく単純な攻撃決定率や効果率では出てこない、3人のアタッカーの高いトスでの高い攻撃力がはっきり出てくるはず。



相手に勝つことが目的なのか、「はやいトス」を上げることが目的なのか。

楽に勝てるのになぁ。実にもったいない。



サイドアタッカー絡みでもうひとつ事例を見ていきます。







レフトアタッカー周辺でゴチャゴチャしているのがもったいない



これも上記と同様「はやいトス」が目的となってしまっているところが原因です。



アタッカーがフルに打ち切れなくてリバウンドを取って再び攻撃。

こうした場面でもレフトアタッカーには低いトスが上がっていたのがとてももったいない。


結局アタッカーは助走に開く時間が作れずに、スタンディングジャンプによる「おっつけ」攻撃に終始してしまって攻撃力を発揮できない。

相手ブロッカーもレフト周辺に寄ってきて、より良い体勢でブロックディフェンスをすることになって、ますますブロックラインの突破が難しくなっていく。



これもね、「チャンスボール、ゆっくり」の意識があれば、レフトアタッカーを大きく開かせたり、逆サイドのライトからの攻撃を使ったりすることもできる。

筑波のセッターとセンターならば、ラリー中でもセンタークイックで切り返すこともできるはず。



なんかね、ボールがある所に両チームの選手が密集してしまうような、素人のサッカーを見ているような場面を筑波が自分たちで作り出してしまっているのをやたら目にしたのが実にもったいないと感じたのでした。



トゥギャッターでの話もそうですが、「はやさ」を指向しはじめると、体勢を整える間合いだとか試合の流れの中でのリズムだとかについて考えなくなりがちなのでしょうか。

速いビートを刻んでいても、そういうのを「一本調子」というのですが。

このあたりを少し整理して、「リセットする場面」「速いテンポで畳み掛ける場面」などを切り替えられることを、秋の筑波には期待したいと思います。






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関東大学バレーボール 2010年度春季リーグ戦 女子1部 第8日

日本体育大 3 (21-25/25-19/22-25/25-23/15-12) 2 筑波大



筑波大スターティングオーダー

10(O)  09(C)  08(L)

13(L)  07(C)  01(S)

Li:03



筑波大の試合を見終わって「もったいない」というキーワードが頭に浮かんだため、「もったいない」をテーマにした試合観戦記です。

前回は「2番の選手が助走をちゃんとしていないのがもったいない」「ミドルブロッカーがハンズアップにこだわっていてサイド攻撃にブロックが間に合わないのがもったいない」を取り上げました。







今回まずはじめについったーのまとめ。とぅぎゃったーから。


V・プレミアリーグ女子決勝から始まるセッターの技術論


「日本人は高さが無いから『速さ』だ」という思考停止に陥っている悲しい『世界最強』セッターの姿が、バレー馬鹿同士の会話から見えてくるはずです。

このトーク内容が、筑波大学を練習から見ていて、徐々に頭の中を支配していったのでした。

きちんとした考察が無いまま「速さ」という言葉を使う風潮が日本のバレーボールには蔓延している。

今回と次回は、このトゥギャッターのトークを前提にお届けします。







せっかくの二段トス練習がもったいない



筑波大学の試合前練習を見ていると、女子バレーでは珍しく二段トス練習を盛り込んでいました。

一瞬3メンレシーブかな?と思ったら、二段トスをサイドアタッカーに上げるところまでプレイを繋げる。

ただこの時、二段トスを上げるプレイヤーに、その先の意識が感じられなかったので、不安がよぎる。


きちんとその先…二段スパイクを打つアタッカーがイメージの中で見えていれば適当なトスは上げられないし、「どうだコノヤロウ、俺の二段トス完璧だろう」という意識があればイメージの中のアタッカーは絶対に全力でスパイクをぶち込みに行くはず。

攻めれば攻めるほど、当然ドンピシャでブロックを喰らう可能性もあるわけだから、自分でブロックフォローに突っ込むまでの動きをイメージして練習するはず。

剣道で言うところの「残心」。

バレーボールは2つ前のプレイから予測をして動き、自分がボールタッチした2つ先のプレイまで責任を持つ競技。

練習の段階でも、強度の低い練習であればあるほど、意識のあるプレイヤーからはこれが感じられます。

そこまで意識せず、適当に流れる二段トスを上げている選手が多いところが、実にもったいないよなぁ。



監督&主将セッターと他の選手の目指しているチームの方向性の乖離がもったいない


続いてスパイク練習。

セッターがトスを上げる合間に、監督が二段トスを上げてレフトアタッカーが打つ練習もまじえていました。

この監督からのトスは下手投げで送り出される。トスとは呼べない、ボールが緩い放物線を描くようなもの。


先の二段トス練習で、選手たちがしっかりと二段トスを『送り届ける』練習になっていないのは、二段トスへの意識がまだまだ低いことが問題なのかな?あるいはこうした低いトスをチームの方針として取っているのかな?

そんなことを考え始めながら練習を見ていました。


ワールドグランプリだかグラチャンだかで、全日本女子が「低い二段トスを追求している」と、世界に先駆けてすごいことに取り組んでいるようなイメージ付けのための馬鹿な話が出ていたけれども、そこでトスを低くしてちょっとばかり時間を稼いだところで、二段トスを上げざるを得ない段階で相手がまともなバレー馬鹿なら基本的にブロックが最低2枚付くのは決まっている。

ファーストタッチが乱れた時点で、そのボールの落下点やトスを上げるプレイヤーの姿勢やアタッカーの準備状況でかなり高い確率でスパイクを打つアタッカーを絞り込める。それまでの試合展開で「二段はこいつにしか上がらない」とはっきりしているケースも多い。

その状況から本気でブロックを割ってやろうとするならば、高松工芸ばりの二段バックトス高速平行や、萩生田弘美のエンドラインあたりで転がりながらのセンターへの超ロングBくらい極端なことをやらなければ効果はないわけで、そこまで追求しない中途半端な考えの練習は単なる時間の無駄なあたりがまずもったいない。


スパイク練習でのセッターからサイドへのトスも、低い軌道を意識したものでした。

ここにきて、サイドへの低いトスがチーム方針なのだろうと確信する。


助走速度が無いに等しい2番はともかく、他のサイドアタッカーはこのトスにタイミングがあっていないので、ジャンプの途中でスパイクを打たされることになる。

監督からの二段トスと比べると、まだセッターからのトスはある程度失速して垂直落下に近くなっているものの、それでも筑波サイドアタッカー目線で言うと理想的なトスにはなっていない。


・ヒットポジションを予測しにくい流れたトスなので、ジャンプをブロードにしてトスを迎えに行く形になる。

・ブロードになる分、ジャンプの高さは失われる。

・ボールを迎えに行く形になるので相対速度もあり、最高打点に達する前にヒットポイントにきてしまう。

・相対速度の関係で、きちんとテイクバックする時間的余裕が無い。


∴結果として「おっつけた」スパイクフォームのへなちょこスパイクになってしまう。



これらはサイドアタッカーが自分の助走スピードやジャンプの打点をきちんと把握して、踏み切りポイントを修正したりブロード量をコントロールできるようになれば、後はスパイクの助走スタートのタイミングなどでいくらでもコントロールできるようになる問題だけれども、そこまでの引き出しは無いようでした。

サイドアタッカー陣の助走スタートは、みんなセミ(女子だとオープン?)でタイミングがぴったり合いそうなものでした。

このあたりにセッターとサイドアタッカー陣のコンセンサスが取れていないのだろうなと感じてもったいない。


セッターは09年秋季リーグでベストセッターを受賞した1番渡邉美穂(セッター/166センチ/4年/京都橘高)

西山慶樹の年か。春高で見ているな。

どうも見ていて感じたことは、主将になった4年生1番渡邉選手が、昨年完成された時期のイメージを今の時期の現チームにそのまま持ってきてしまっていて、まだまだ経験が少ない今のサイドアタッカー陣との間にイメージのズレがあるのではないか。ということ。

これは試合を見て次第に感じていったことなので、次のエントリーでたっぷり書きたい。


昨年チームはなんとなくみきぷるーんの大会だけ見た程度なのであまり確信を持っての発言ではないけれども、監督の方針と1番渡邉選手は昨年をベースに作っていきたいチームの方向性でコンセンサスが取れていることはなんとなくわかる。

ただ、他の選手にまでまだ考え方が伝わっていないあたりがもったいない。

きちんと伝わっていたら、サイドアタッカー陣の助走スタートタイミングも助走スピードも踏み切りポイントもブロード量もテイクバック量もあれじゃないでしょ。

そしてこれらは全て、サイドアタッカーにとって重要な、スパイクのパワーに直結する。




大学バレーは4年で選手が入れ替わっていくので、こうした年次ごとの選手構成と戦術の指向という部分も継続して見ていくと面白くなってくるポイントかな。

このへんがわかってくると、きっと選手のスカウティングも面白くなってくる。移籍や年契の外国人選手獲得というのが無いので、Vリーグよりもシビアで面白いかもしれない。

春の試合内容をどう研究して12月までにチームがどのように完成していくか。このへんも今後注目していきたいポイントです。




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関東大学バレーボール 2010年度春季リーグ戦 女子1部 第8日

日本体育大 3 (21-25/25-19/22-25/25-23/15-12) 2 筑波大



大学リーグ戦観戦2試合目はこのカード。

骨が豊かと書いて體。日体大の横断幕の「日體大」の文字に妙に目が釘付けになったりしながら練習を見はじめました。


まずスパイク練習を見ていてがっかりさせられたのは筑波2番飯田選手のスパイク。

体格がよく、パワフルなスパイクを期待していたのに、「なぜスパイクの助走をするのか」という事を考えて実践している様子が伺えない。

それでも175センチの身長があればスパイクらしきものが打ててしまうあたりが224センチのネットの高さの問題点。

練習を230センチの中学男子ネットでやるだけで、この問題はかなり解決できると思うのですが…もったいない。


この試合はついったー上でばぼったー界隈で最近いろいろ議論されたり指摘されたりする問題がいろいろ見られて、実にもったいないと感じた一戦だったのでした。

大学バレーには、その後プレイヤー生活を続けるにせよ指導者に進むにせよバレーから離れて観戦者にせよ、論理系バレー馬鹿を多く生み出す場であって欲しいなという勝手な願いがあるのです。


前回はサーブ攻撃論者的視点で試合を見ていきました。

まぁサーブレシーブ絶対論者的視点で見るとただの「サーブレシーブが悪いから自分たちのバレーができていない」試合ということになるのですが、同じ試合でもいろいろな見方ができる。

今回の試合終了後に出てきたキーワードが「もったいない」だったので、今回は論理系バレー馬鹿目線の「もったいない」シリーズでお届けします。







筑波大スターティングオーダー

10(O)  09(C)  08(L)

13(L)  07(C)  01(S)

Li:03



ミドルブロッカーのハンズアップしながらのサイドへのチャージがもったいない

ついったーのばぼったー界隈ではふとしたことから議論に発展することが多いのです。

当ブログがきっかけでついったー登録をされた方もいらっしゃるでしょうが、私のついっとを追っているだけではもったいない。

フォローする人を増やしていって、展開された会話を追っていくと「楽しくバレーを考える」楽しみに発展していく。

ふとした疑問やそれぞれの意見が絡み合って、忘れがちなちょっとした「気付き」が「考えるテーマ」になっていく。

こんな会話に参加するようになったら「バレー馬鹿」と呼ばれるようになります。バレー馬鹿で何が悪い。


何かのテーマで会話が展開された時、それをまとめるようなアプリケーションもあって、会話を後追いしやすくすることもできます。


ブロック移動時のハンズアップの意味は?


ゴールデンウィーク中に一人のバレー馬鹿が試合中継を見ながらつぶやいた一言から展開された会話です。

バレー馬鹿どもがこの一言に食いついて、センター付近の速いテンポの攻撃に対処するためのハンズアップの価値は認めつつも、「手を上げている」事が評価の指標になっている事や「ブロックの完成が早い」が絶対という考え方についてはちょっとどうなの?と会話が展開されます。


筑波大ミドルブロッカーは7番高橋選手・9番山下選手共にハンズアップでサイド攻撃にも対処するスタイルでした。

日体大が前3枚(前衛アタッカー3人)の状況で、筑波大のブロックフォーメーションはスプレッド(散開陣形)で待ち受けている場面があり、この時ミドルブロッカーは「いないいないバー」のまま走って日体大のサイド攻撃に間に合わない場面がやたらと目につきました。

参考:ブロック用語 防御陣形による分類

サイドブロッカーとミドルブロッカーの間は大きく割れたり、ミドルブロッカーがジャンプに至らなかったりする場面がとても多く、これが実にもったいない。

それにレシーバーも守りにくいでしょう。


体を常にネットに平行に…というような指導もあるようですが、トスがすでにサイドに上がっている状況で、地上で体をネットに水平にしている事に何も意味を見出せません。

ハンズアップと体を常にネットと平行にという指導はセットになっているような気がします。

ハンズアップだとステップがどうしてもサイドステップになってしまうのではないか?と、根拠は無いけれども思うのですよね。


スプレッドでブロック2枚を揃えようと思ったら、短い時間で歩数を稼ぐためにはクロスステップがお得。

しっかり腕を振ってきちんと走り、下がった手をテイクバックから振り上げることで高さを生み出す。

体をネットと水平に…は、ターン打ちする要領でジャンプしながら作っていく。

横方向に流れる運動エネルギーは、基準を作るサイドブロッカーが全部受け止める。

受け止め切る覚悟が無い奴は最初から前衛に立ってはいけない。

これでサイドの速い平行に対して、スプレッドからでも2枚ブロックが揃うはずです。


日本体育大14番中村亜友美(オポジット/177センチ/2年/誠英高)は、バックからもスパイクを打ってきますが、前衛のクイックに連動したパイプ攻撃ではありません。

男子で言うと90年代のオポジットスーパーエースタイプ。攻撃はバックの場合もライトから。

前2枚の状況ではブロックは右よりのデディケートとなっていました。

第2セットではスプレッドの印象だったのですが、第4セットで前3枚でもデディケートに変更したのかな?



それほど早い攻撃ではないので、ライトからの攻撃への防御を薄くしたシフトを取るのは良いのですが、だったら前2枚のセンター・レフトを徹底的にブロックで潰したい。

しかしそれもならず、ライトからの攻撃に対してもこのようになる。

これは同ローテで筑波にサーブ権がある時の状況。


結局この試合で印象に残ったブロックは10番彌永衣利(いよながえり/オポジット/175センチ/2年/津商高)1番渡邉美穂(セッター/166センチ/4年/京都橘)くらいで、筑波ミドルブロッカーからは発生しませんでした。

ライトブロッカーのキルブロックが出ているということは、ブロックシフトもほぼうまく機能しているし、相手レフトのコースの分析もうまくいって基準がしっかりできていると考えても良いのではないでしょうか。

日体大がそれほど強引な平行を使うわけでもないのに、相手レフト攻撃にミドルブロッカーが間に合わず、スコンスコン間を打たれるのが実にもったいない。







筑波大ができることを他にもいろいろ感じたので、このような感じで次回も続けます。


それにしても日体大の中村亜友美は見ていて面白かった。
サーブはずいぶんとアップゾーン近くから助走に入るので妙に目立つ。

手が長いのを隠そうとしてか、常に肩がお怒りになられている。

レシーブで転がり、ボールが上がらなくて悔しがる姿が楽しい。

転んだ状態から起き上がる動作に、運動神経の優れたところを感じたりもした。


もうこうなると何を見ていても面白くなってしまうので、写真をPCに取り込んだついでに後姿を最後に1枚。


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関東大学バレーボール 2010年度春季リーグ戦 女子1部 第8日

東京女子体育大 3 (25-23/25-14/25-11) 0 松蔭大




記念すべき大学バレー観戦1戦目はこのカードとなりました。

会場入りしたのは試合開始30分ほど前。会場入りして予想外だったのは2試合同時開催だったこと。コートが3面取れる青山学院大記念館。入り口付近と一番奥のコートで試合が行われます。

メインで見るチーム、東京女子体育大と筑波大の試合場所をチェックすると、どうやら両チームとも奥のコートで試合をする模様。

たまたま入り口で会った観戦仲間と奥のコートに向かいます。


エンド側の気に入った席に座ったら、今回メインで見ることに決めている東京女子体育大の練習を見ながら情報を探し集めます。

「おー、サウスポーいるじゃん」

最初に目に付いたのは、31番藤野英恵(OP/170センチ/3年/文化女子大杉並高)


しばらくスパイク練習を眺めつつ、パンフレットを見つつ、観戦仲間と雑談。

「雪の東京フェスティバル(Vチャレンジリーグ)の時、シカマックスのパシリで顔も知らないのに入口で待たされたのが33番の選手」というプチ情報などを入手。

この時点でこの情報の笑うポイントは、シカマックスがアクア入部1年目から女王さまだったのだなというところ。

しかし33番溝口京(京とかいて「みやこ」と読む/L/168センチ/3年/実践学園高)は第1セット途中から出場して、この日の東京女子体育大勝利の流れを作ってしっかりと印象に残る。もう「シカマックスのマブダチ」という位置付けじゃない。


サーブ練習が始まったところで、先ほどのサウスポー31番藤野英恵がジャンプサーブを打っている。

写真を撮っておこうとホワイトバランスを修正してカメラを向けたところ、フラッシュを焚いてしまった。久々にカメラを持ち出したもので…あわてて設定を発光禁止モードにする。


サーブ練習を見ていて試合に起用されたら面白そうだなと感じたのは、51番米山沙織(L/167センチ/2年/市立川越高)。残念ながらこの日の出場はなかった。


あ、そうそう。大学女子はコートで大きく見える選手が身長175センチ級というのが新鮮な発見でした。Vリーグ比マイナス5センチの感覚差です。







バレーボールの勝敗の8割はサーブで決まる



第1セット

東京女子体育大スターティングオーダー

31(O)  26(C)  34(L)

15(L)  01(C)  21(S)


Li:30



私は中学3年の時に小型チームがバレーボールで勝つにはどうしたらよいかを考えた末、徹底的なサーブ攻撃論者になったのでした。

1セット15点制の当時、「15点連続でサービスエースを取れるなら、身長差が1メートルあっても関係ない」と考えるに至る。

高いブロックにはコース打ちやブロックアウトで対処もできるので、サイドアウトなら取れる。

後はサーブレシーブからの攻撃で、確実に相手を崩したりブロックアウトを取っていけば、ブロックのはるか上からスパイクを叩き込まれるような相手でも勝てるじゃん。


この考え方は当時では異端。

「サーブミスもったいない」という宗教がつい最近まで日本中に蔓延しておりました。

ラリーポイント制になって10年。海外のバレーボールの潮流から、ようやくこの宗教は消えかかっていますが、自分がこれを主張していたのはそろそろ30年前。サーブミスをしても相手に点が入るわけでもなかった時代に私の言っている事がちっとも理解できなかった連中はバレー馬鹿失格です。

今だって25連続サービスエースが取れる選手が一人いれば、あとはコイントスで第1セットのサーブ権を取れるキャプテンがいるだけで世界一だって簡単だと思っている。


そんなサーブ攻撃論者のため、この試合はスタメン選手がどのようなサーブを打つかを記録しながら見ていました。

うーん、31番と15番が連続でジャンプサーブを打つけれども、弱いなぁ…てな感じ。


最初にサーブの威力を発揮した選手は、なんと相手の2番の選手でした。

松蔭大学2番柴田彩香(レフト/172センチ/4年/相原高)

エンドラインから大きく下がった位置からのフローターサーブで、ボールがストンと落ちるタイプ。このサーブが15番を中心に襲いかかり、東京女子体育大レセプションをズタズタにします。


もうローテーションが回らない回らない。細かい記録は取っていませんでしたが、印象としては10連続失点ぐらい喰らった感じ。

コートの中でレセプションフォーメーションの変更やら守備範囲の修正やらをできればここまでひどいことにはならないと思うのだけれども、春のリーグは新チームによる新人戦のようなもの。なかなかそういった修正が選手たちでできるものではないのでしょう。


この危機を救ったのが15→33の選手交代。15番堀選手は31番藤野よりは強いジャンプサーブを打っていたので反撃に必要だと思っていたのですが、この選手交代がとりあえず松蔭大2番柴田選手のサーブによる一方的な流れを止めました。


大幅なビハインドの東京女子体育大、この33番溝口にサーブが回ってきて、ジャンプフローターで相手を崩しはじめたところから反撃の機運が生まれました。大殊勲。

続く1番見崎選手にピンチサーバーの投入。

替って入った58番榊原美沙都(レシーバー/155センチ/1年/実践学園高)はサウスポーのフローターサーバー。

サウスポーサーバーのフローターも軌道や変化が違うのでしょう。ここでもブレイク(サーブ権を持っている状態からの連続得点)に成功して、大量得点差を一気に縮めました。


そしてこのセットの最後は34番三橋聡恵(レフト/174センチ/3年/小野学園女子高)の足の長いフローターによるサーブ攻勢。

連続得点の最中にこの34番三橋は監督から「ラインを狙いすぎるな」という注意を受けていたけれども、放っておくとガンガン攻めに行きすぎるタイプの選手なのかな?そんな選手だと好きになる。

最後はこの34番三橋のサービスエースで東京女子体育大がセットを取りました。


終わってみればローテーションは1周半しか回らなかった。

サーブ攻勢のゲームはローテーションの回転が極端に悪くなる。従ってサーブ攻撃論者的ベストオーダーは、サーブで点を取れる選手をサーブ順で前に持ってこないといけない。

野球では出塁率が高い打者を打順1番に持ってくるのと一緒。







第2セット・第3セット

東京女子体育大スターティングオーダー

31(O)  22(C)  34(L)

33(L)  01(C)  21(S)


Li:30


さて、サーブの殴り合いで第1セット逆転を喰らった松蔭大。

「まずはサーブレシーブ」なんていう昭和の安易な考え方ではなく、しっかりと2番柴田の足長急失速落下系フローターサーブを中心に攻めてきます。

松蔭大学1番石川唯(セッター/160センチ/4年/奈良女高)

松蔭大学3番高橋敦子(センター/176センチ/3年/山北高)


この二人のネットすれすれに攻めてくるフローターサーブも効果を発揮。


相手のサーブ攻勢を弱めようと思ったら、相手に「連続失点からようやく獲得したサーブ権、ここでサーブミスをしてはもったいない」と思わせることが重要。

つまり、サーブで攻められたら、サーブで3倍返しをしなくては状況の打破はできない。


しかし東京女子体育大もサーブで押し返します。

第1セットの最後をサーブで攻めまくった34番三橋が序盤に連続ブレイク。

そしてこのセットからサーブが走りだしたのが22番大谷牧子(センター/177センチ/3年/宇都宮文星女高)のフローターサーブ。

さぁこれから20点台の攻防だぞ。というところで一気に連続ブレイクをして、第2セットも東京女子体育大学が制しました。

このセットもローテーションは1周半。


東京女子体育大学のサーブ攻勢における優位な点は、攻めるサーブの種類が松蔭大よりもバリエーション豊富な点ではないかと考えるのです。

ジャンプサーバーの威力が弱いのは今後の課題だけれども、このあたりは31番藤野に期待。

サウスポーのジャンプサーバーがリベロを強襲して、4連続サービスエースで試合をひっくり返すのを見たことがあります。

稲増優季恵。コートネームはイナマックス。そう、東京女子体育大学出身の選手です。

31番藤野はこの夏、ゼロポジションとミートを意識した練習とフィジカルトレーニングをすればいいと思うんだ。

スパイクでふかし気味な部分もジャンプサーブの威力が無い部分も一気に解決する。

二段トスが丁寧で軌道も良かったので、パワーアップに期待します。


一方の松蔭大は攻撃サーバーが似たタイプのサーブというところが苦しい。

相手は解決の糸口を見つけてしまえば、どの選手のサーブにも一気に対処できてしまう。


第3セットはもうワンサイドゲームです。

34番三橋・22番大谷と、第2セットでサーブが好調だった選手からサーブがはじまります。

ここで一気に点差を広げて33番溝口京と書いて「みやこ」のサーブで勝負あったかな。

それまでサーブでは目立っていなかった1番見崎のサーブのところでもブレイク。

最後は22番大谷のサービスエースで試合終了。


バレーボールの勝敗の8割はサーブで決まるという私の極論のひとつを現実化したような試合で、面白かったのでした。
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本日の試合結果


青山学院大 3 (25-11/25-19/25-23) 0 国士舘大


東京女子体育大 3 (25-23/25-14/25-11) 0 松蔭大


東海大 3 (25-19/25-17/25-22) 0 嘉悦大


日本体育大 3 (21-25/25-19/22-25/25-23/15-12) 2 筑波大



参考:関東大学バレーボール連盟 リーグ戦ページ




本日のkaz10000賞


MIP:日本体育大学 14番 中村亜友美(OP/177センチ/2年/誠英高)


MNP:東海大学 7番 養畑美穂(C/175センチ/3年/札幌大谷高)


MVB:筑波大学 ビデオ担当の人(詳細不明)








ついに大学バレーに足を踏み入れてしまいました。

これまでも大学バレー観戦の誘いはあったのですが、大学はみきぷるーんの大会(全日本インカレ)のTV中継を見たり、天皇杯・皇后杯絡みでちらっと見る程度にブレーキをかけていたのですが…


まぁでも経緯はともあれ、私がこれまで見なかったカテゴリーを見はじめて経過を書いていくことで、例えば全日本しか見なかった人がVリーグを見はじめる時などの参考になるようなこともあるかもしれないな…などと思いつつ、珍しく結果も載せて即日更新です。

実は一回書き終えたデータが公開時にどこかに飛んだので、今書いているのは2回目だったりします。


ちなみに大学バレーの予備知識はほぼ無し。

「春高バレーコーチングキャラバン」で取り上げられていた選手を、数年前の皇后杯予選で見かけ、今回見られるかなと思っていたけれどもどうやらもう卒業してしまった模様。

廃部した某チームから大学進学した選手はいたけれども、プレイヤーとしてはわずかな練習と試合で「きれいなバックトスを上げるなぁ」と感じたことはあるけれども、積極的に応援するというほどでもない。


ただ漠然と見ても面白くないので、テーマを決めて行きました。

とりあえず今までちらっと応援したことのあるチームを中心に見てみようというもの。

そのチームを中心に試合を見続けることで、リーグや他のチームも見えてくるだろう。今回はその第一歩。


今回しっかりと見ようと思ったチームは2チーム。筑波大学東京女子体育大学

筑波大学は大学はみきぷるーんの大会(全日本インカレ)の中継を見る時に、いつも応援目線で見ているチームなのです。

理由はユニフォームが緑だから。

東京女子体育大学は、皇后杯予選で上に書いた「コチキャラ」で取り上げられた選手を発見し、その選手のバレー馬鹿っぷりを目の当たりにして応援をしたことがあったから。先輩がいようとアップゾーンの一番コートに近い角の場所を絶対に譲らず、まばたきもしないでずっとコートを見つめてる・・・なんて、相当のバレー馬鹿でしょ。

両チームともVリーグに進んだ選手に、気に入った選手がいたということも理由になっていたりします。

気に入った選手の育ってきた環境というのは興味が出ますよね。


そんなわけで、チームのスターティングオーダーだのを撮影するために、久々にカメラも持って会場に足を運びました。

都区内だとアクセスが楽でいいね。表参道から徒歩3分くらいかな。

選手チェックができるようにパンフレットを購入し、ついでに受付で撮影許可申請を記入しました。

両チームの試合レポートは次回以降。







kaz10000賞について補足しておきます。


MIPは<最も印象的だった選手>に贈られる賞。

いやぁ、いいネタキャラとても魅力的な選手と出会えたわぁ。

バラバラの場所で見ていた観戦仲間が試合後に集まった時、最初に話題になったのが日本体育大学 14番 中村亜友美選手でした。

私のメモでもこの選手の記載が最も多く、モビルスーツに例えるとゴックだと譲らない語調で書き記してあります。

観戦仲間も別のニックネームを付けていました。まぁ確かに「エビさん」っぽい。肩がお怒りになられているあたりとか。

今後日体大の試合を見るときは、この選手をどうしても中心に見てしまうでしょう。

とにかく「バレーをやっていて楽しい」というのがビンビン伝わってくる選手です。こういうキャラクターとムードを持った選手がVリーグにはもっともっと必要です。


MNPは<最も生っぽかった選手>に贈られる賞。

「生っぽい」の意味するところは観戦仲間ならご存知でしょうが、ここに書くのはやめておきます。

<最もななえっぽかった選手>と言い換えてもOK。

ロビーで目が合ってしまい、つい二度見してしまった。生っぽいから。

ABコート同時開催の時に平行して試合を見ていると、私の記憶系は試合後何も記憶していないので、今回の目的から外れないように、プレイする姿は遠目にちらっと見るにとどめました。

次に東海大学の試合を見るときは、おそらくこの選手を中心に見ます。


MVBは<最もバレー馬鹿>に贈られる賞。

筑波のビデオ担当、すごいんだぜ。ただビデオカメラに張り付くんじゃなくて、試合の実況をしてビデオカメラに音声で記録している。

これは後でデータの集計をする時に、背番号が見えにくかったりする部分をフォローすることになるのだと思うのだけれども、メモを取りながら見ていた自分も記録の助けになった。

しかもセット間は、コートフロアに降りるために観客席の対面側までぐるっとほぼ一周走って、ドリンクを作ってから、また走ってビデオカメラのところまで戻ってくる。

たぶん選手を含めても、今日体育館にいた人の中で一番長距離を走っている。

しかもテープチェンジやらバッテリーチェンジやらを全て一人でモーレツな勢いでこなしていた。

バレー馬鹿でしょ。でなきゃ愚痴のひとつもいいたくなる。

もし仲良くなったら、仕事の一部を手伝ってあげることに決めた。


では続きは明日。



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