2010年バレーボール重大ニュース



・全日本女子 世界選手権3位



" target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディア発売



・全日本男子 アジア競技大会優勝



・春の高校バレー新春開催に変更



・フジテレビ WGP中継で選手のキャッチフレーズとプロモーションビデオを廃止



・TBS 世界選手権中継でタレントの歌の時間を廃止






今年はバレーボール中継がタレントの売り出しに利用されず、スポーツ中継として扱われるようになった『スポーツ回帰元年』と位置付けられることになるかもしれません。

選手をスターとして売り出して、手っ取り早く小銭を稼ごうという風習は一気に払拭することは難しいけれども、バレーボールをスポーツとして世間から認知してもらうための方向にはようやく動き出したかと思います。



今までの路線では、世間一般の興味を引けなくなったというところが一番大きいとは思いますが、TWITTERというツールの普及で、バレーボールを愛して発言することに臆しないバレーボールブロガーやバレーボールファンが結集した意味も少なからずあったと考えています。



バレーボールをスポーツ競技として見て、技術的視点や戦術的視点でいろいろ発言するバレーファンがついったーに集まってきたことで、ようやくスポーツ中継としてのバレー中継を求めている層がいるらしいということも伝わってきたという部分もあるでしょう。

技術話をしているとすぐに選手叩きだと決め付ける人が出てくるあたりが、まだまだ痛いタレントエンターテイメントなのですけれどもね。



まず目指したいところは、TVの録画予約機能のジャンル分けで、どのメーカーのテレビでもバレーボールが「スポーツその他球技」ではなく「バレーボール」と独立するあたりでしょうか。

残念ながらパナソニックのテレビでも独立していないのが現状です。



全日本・Vリーグ・大学・高校と、一年中大会が行われていて、再放送なども流されているので、今の時点でも独立してもおかしくはないと思っています。

バスケットやラグビーなどと入り乱れていて、予約する番組を探すのが大変だったりするのですよね。





2010年バレーボール流行語大賞



ファーストテンポ



" target="_blank">バレーボール百科事典バレーペディアの発売で一気に広まったこの用語。

しかし言葉が独り歩きしていて、一般に理解されているとはまだまだ言い難い状況は続いています。



Volley pedia バレーボール百科事典 CHAPTER 1 “スピード”ではなく“テンポ”(攻撃における“テンポ”の概念)(p018)を強行突破的に強引に理解する

Volley pedia バレーボール百科事典 CHAPTER 1 “スピード”ではなく“テンポ”(攻撃における“テンポ”の概念)(p018)を強行突破的に理解してさらに見えてくるもの

バレーペディアと合わせて、上記エントリーをお読みいただくと、テンポの概念が頭に入ってくるでしょう。



その他のノミネート

・新タ悦男アナウンサー

日本のバレーボール中継におけるマッチポンプ。

バレーペディア発売により覚醒をして、やや暴走気味のバレーボール実況アナウンサー。

現代バレーを不勉強な解説者は彼のフリに全く対応できないという、実況解説逆転現象を引き起こした。

世界選手権男子決勝の解説を担当した柳本晶一は「小声で全肯定」作戦で中継時間を乗り切ろうとした。

現在まともに対応できることが確認されている解説者は加藤陽一・米山一朋の2名のみである。



・シンクロ(同時多発・位置差攻撃)

リードブロックに対抗するのに最も効果的と考えられる攻撃戦術。

上記新タアナウンサーが「さぁ、4人が一斉に動き出します」と言ったところから始まる攻撃がシンクロ。

シンクロによるファーストテンポの攻撃こそが理想的な『はやくて高い攻撃』である。

しかしブロック戦術もまだ理解が浸透していない現在、シンクロの必然性もまだ理解はされていない。



・バレペデ(バレーペディア)

5月に発売されたバレーボール百科事典。MOOK本。

用語集の体裁を取っているが、実は日本に蔓延るさまざまなバレーボールの固定観念を打ち破る書籍である。

ただし、発売直後から数多くの誤植や表記間違いなども発見され、改訂版の発売が待ち望まれている。



・Aパス

全日本女子が「Aパスからの攻撃成功率は世界の強豪に負けていない」と拘った。

単純に言えば、今まで「Aカット」「Aキャッチ」と呼んでいたものを、バレーペディアの表記に置き換えたもの。

フジテレビがワールドグランプリにおいてこの用語を浸透させることに一役買う。

しかし「B・Cパスからの攻撃効果を上げることを考えるほうが楽じゃね?」「二段トスの強化が必要だ」など言われる。

秋の世界選手権では、ハイセットからしっかりと打ち切れるサイドアタッカー陣の活躍で、全日本女子は銅メダルに輝いた。



・エバター

チャレンジリーグに所属する日立リヴァーレから全日本入りした女子選手。

一般にはエバと呼ばれる。

ポジションはウィングスパイカー。



・アゲバイン

女子がエバターなら、男子はチャレンジリーグからアゲバインを全日本に送り込んだ。

彼が途中出場するとTWITTERの実況タイムラインで「上場IN」と人々が一斉に書き込んだことが語源。

『宇宙刑事アゲバイン』という映画が製作中かどうかまでは知らない。



・柳田くん

東京都の東洋高校のエース。

通常、選手の名前を表記する場合は呼び捨てが主流だが、彼の場合だけはなぜか「くん」付けされる。



・テンポ

現代バレーに精通していると思われたいと、実況アナウンサー・解説者・選手の間で流行した。

ただ、理解していないことは一部ファンにはすぐにバレてしまう。

簡単だからバレーペディアといくつかのブログを読めばいいのに。



・植田坂

北海道にある観光名所。

夏になると上半身裸の男の集団が競って坂道を登り走る祭りが行われる。

2010年は試合があることも忘れて男たちは走り続けたらしい。



・速くて低いアンダーの二段トス(これが日本のオリジナル)

TBS土井アナウンサーが世界選手権で連呼した。

「ブロックが割れる」と豪語していたが、評判倒れだった。

佐野選手が上げたアンダーのトスは100本以上。

そのうち2枚ブロックが完成しなかったのは2本だけだったことは " target="_blank">映像で確認できる

世界選手権で佐野選手が上げた数少ないオーバーでの二段トスの中に、ナイストスも確認されている。





参考:過去の大賞

2009年 『バンチリードブロック』川合俊一

2008年 無策(『♪与作』の替え歌)

2007年 『一秒の壁』柳本晶一

2006年 『アンダーツー(−2)』柳本晶一





それでは皆様、よいお年をお迎えください。
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皇后杯関東ブロック予選(ひたちなか)で撮った写真。

アタッカーは遠井萌仁

流れるトスに対応するために上体が傾いている。
行き足が止まらないのでストレートに打たざるをえず、結果はたしかサイドラインを割ってアウト。

アタッカーはここがヒットポイントと考えた点から逆算して踏み切るのだけれども、そこできちんとトスの行き足が止まっていれば上体も傾けすぎることもなく、スパイクを打つコースも自由に選択できる。

これ、テイクバックで体の旋回を使おうとして開いているのが残ってしまっているという見方もできるんだよね。
つまりトスに合わせるために空中で体幹を使い切る時間的余裕が無い状態。

アタッカーは石田こえだ

この日はサマーリーグ決勝リーグ(春日井)の時のようなジャンプができていなかったこえだ。
本人のコンディションもあるだろうけれども、トスを見て助走を踏み切るポイントをきちんと見極められなかったという側面もあるかもしれない。

跳べていないぶん腕が伸びきっている(おっつけている)。
そしてトスの行き足が止まらない分、やはり上体が傾いている。
こんな空中姿勢からではキレ味鋭いスパイクを打つのは無理。
スパイクは肩とか腕とか手で打つんじゃないんだ。


おまけの古い画像

大村加奈子vsトヨタ車体の3枚ブロック

これはBクイック。
しっかりとゼロポジションでボールを捉えているので、直後に力強いスパイクが打ち込まれるというのが空中姿勢を見ても想像できる。
アタッカーがパワーを乗せるためには、トスの行き足が止まってくれたほうがありがたい。
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世界選手権の男子大会も終わってしまいました。

次は4年後か。

案外あっという間なんだよね。



TBSが中継した強豪勢同士のCS放送は、新タ悦男アナウンサーという飛び道具が誕生して、それはそれはコアなバレーボール中継になったのでした。

まさに革命的。

結局、解説にバレー好きタレントを置いておいても新タアナとまともに戦術トークをすることができず、バレー好きタレントはしどろもどろになった末にプレイヤーとしてのフィーリングの話をするだけになってしまったりしたのでした。

まぁこのバレー好きタレントは「リードブロックではサイドの攻撃がノーマークになってしまう」というとんちんかんな解説をしてしまう人ですから。



リードブロックは、バックアタックが高速化して前衛攻撃と連動しはじめた時代、全ての攻撃に3枚のブロックでとにかく対応しようということで生まれたもの。

つまり最低1枚ブロックが付いて、ワンタッチを取れれば、それでしめしめというもの。

そのワンタッチボールをいかにカウンターに繋げていくかということが重要になってくる。

キルブロックしか考えていないからへんてこな解説を続けている。



そうなると重視されるのはブロックディフェンスとフロアディフェンスの連携。

これがわかればブロックを抜けるコース正面で待ち構えているレシーブこそ、超ナイスディグだってことが見えてくる。

見えていないから飛びつくような見た目の派手なディグに大喜びするような解説を続けている。



そしてセカンドタッチを誰が担当して、いかに高い攻撃力を発揮するところまで持っていくのか。

相手に同じことをさせないためにはとにかくアタッカーに最大の攻撃力を発揮させることが重要。

スパイクが決まらなくても相手を崩せればさらにその次のチャンスは広がるのよ。

そのためにはどこから打つのかが見え見えの目先の速い攻撃よりも、複数アタッカーが攻撃に参加できることが重要。

そして個々のアタッカーがしっかりとスパイクを打てることが重要。

わかっていないと、低くて速い二段トスが素晴らしいなんていう解説をすることになる。



はい。そんなわけで正しい男子バレーは激しいラリーの応酬が見られます。

そして両チームがブロック戦術を状況によって変えていくことで、試合の流れが変わっていく様子が見られます。

セルビア対ロシアの準決勝が見た中では一番面白かったなぁ。

この試合は加藤陽一が解説をしていました。

ブロックの戦術転換を予測した実況・解説。その戦術目的がはまってくると試合の流れが逆転する。

その様子がよく伝わった。



こんな中継を地上波ゴールデンでやろうものなら視聴者の9割以上がついてこられないので、これをどう噛み砕いていくかというのがバレーボールをスポーツ中継として流すための味付けの部分となるのだろうけれども、これから行われる世界選手権女子の中継はどうなるでしょうか。





その面白かった試合を解説していた加藤陽一。

サマーリーグの決勝リーグではセッターをやっていて、それはそれはかなり残念な仕事ぶりだったのですよね。

3試合観戦する予定が、結局1試合で見るのをやめてしまった。



まぁでもセッターに転向してわずか半年くらい。

「伸び盛り」だから…ってことで、長い目で成長を楽しむことにしました。

その2回目を見ようとひたちなかまで行ってきました。



念願だった平成特急フレッシュひたちに乗る



乗ったのはオレンジのタイプ。

連邦かジオンかで分類すると、連邦の量産型なデザイン。



勝田駅で車輌の切り離しを見学

オレンジ4輌とグリーン7輌が連結された11輌編制。



勝田駅でチケットを購入してしまった



目的はキハ



キハっていうのは気動車(ディーゼルエンジン車)の箱型車輌の頭文字を取った形式名。

電化されていない区間を走る味のある鉄道。

ちなみに電化されていないから「電車」とは呼ばずに「汽車」と呼ぶ。



目の前に非電化単線の路線があって、時間があったら、当然乗るでしょ。

ひたちなか海浜鉄道
きっと地元の日立リヴァーレの選手たちも日常的に使用しているはず。



生き残っているベテラン選手って味があるよなぁ



さびれた路線かと思いきや、案外乗車率は高かった。

田んぼの片隅の何も無いところにあるような駅があったりもするけれども、いくつかの集落を結んでいることで生活路線としても成り立っているのかな?



天気が良かったので、ちょっと海まで散策しようと終点の阿字ヶ浦まで足を伸ばす。

体育館までも歩いて歩けない距離じゃなさそうだし、たぶん駅前にタクシーが1・2台はいるだろうと考えた。

うん。いなかったね。



歩いて体育館まで向かい、会場に着いたらちょうどつくばユナイテッド対中央大学の試合前練習が始まる前でした。

外でアップする中央大の選手たちの声で体育館の場所がわかった。

見通しが利かないし、ランドマークも案内表示も無い土地柄なので、道に少し迷いながらすげー歩いた。

道を教えてくれた自転車のおじさん、ありがとう。





すでにキハモードだったのでバレーの試合はあまりきちんと見ていません。



和井田が黒髪を伸ばしかけだったので、じーっと観察したくらい。

でね、加藤のトスは垂直落下率が高くなっていて、それなりにトスとして見ていられるようになってきた。

つまりアタッカーの最高打点に直線的にお届けしてもアタッカーが打ち切れる。



「アタッカーのヒットポイントに正確にボールを置く」のがセッターのお仕事です。

「どのアタッカーを使おうか」と選択することからセッターは『司令塔』と呼ばれます。



ブロックを割るなんていうのはセッターの個人技量でぶん投げるようなトスでやることではなく、セッターが相手のブロック戦術を把握して、その裏をかくことでやることです。

正しい『速さ』とはトスの絶対速度ではなく、ブロックの完成との相対的な速度なのです。



セッターがきちんとボールをアタッカーのヒットポイントに『置く』ことをやってくれれば、ボールは軌道の頂点付近で『止まって』くれて、その止まった時間内でアタッカーがブロックを見ながら打つタイミングを調整することもできる。

頂点で打つのがファーストテンポ。

落下加速度がつく前に打つのがセカンドテンポ。



翌日の皇后杯で、応援するチームのセッターがこの基本的なことを理解していないがために試合をぶち壊したのですが、それは後日。

速いトスを上げるとされるセッターの多くが、初速は速いけれども結果的にスパイクを打ちにくい放物線を描くダメなサードテンポのトスになっているのです。

誰にでも見分けがつくので、きちんと見分けて本当に良いセッターを評価していきたいものです。



とりあえずつくばユナイテッドは負けてしまったけれども、加藤陽一のトスの垂直落下率が高くなっていることを確認したので、安心してまたキハに乗りに行ったのでした。



歩きながら不安になっている時に道を教えてくれた農作業中のおばちゃん、ありがとう。



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実況:新タ悦男 解説:加藤陽一

本日も実況・解説はGOOD。

ただ新タアナの言葉に「後が無い」が多かったかな?



全日本男子が消えても12チームの精鋭による戦いはここから始まるのですし、クォリティの高い試合はここから増えてくるはず。

ただ、放送予定を見て録画予約を入れておいても、なんだかバラエティ番組っぽいものが録画されていたりする今回の世界選手権。

せっかくスポーツ中継らしいバレーボール中継をここにきて見せてくれるようになったTBSですが、どの放送枠でどのカードが見られるのかがちっともわからないのが、ねぇ。



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フランス戦の敗戦の原因はどうやら『15本のサーブミス』ということになっていったようですね。

しかし『サーブミスの本数』が敗因ではなく、正しくは『サーブミスの本数に見合ったサーブの効果が上がっていない』ことでしょう。

単純にサーブミスの数を敗因としてしまうと、サーブミスの数は減っても数字以上に相手に有利な状況を作ってしまう。



アルゼンチンのレセプションは、ネット際までレシーブを伸ばしてセッターにボールを入れており、高い位置でジャンプトスするセッターミドルブロッカーがブロック対応せざるを得ないため、直後にAクイックを叩き込まれたりパイプを使われたりしていた。

3セット目以降ガタガタしてしまったのは、これで組織ディフェンスが崩されてしまったためと考えている。



それにしても、スパイク総打数の25%もスパイクミスしている清水。

他のアタッカーもスパイクミスが多いことが目に付きます。

ディグが良いチーム相手だと、厳しいコースを突いていく必要が生まれてくるけれども、目安としては許容範囲はMAXで20%まで。

気持ちとしては10%以内にスパイクミスは抑えたい。



フランス戦のスパイクミス率

清水 27.2%(打数22)

米山 12.5%(打数16)

福澤 30.0%(打数10)

石島 20.0%(打数10)

越川 22.2%(打数9)



調子が悪い選手が一人いたとしても、それを他の選手がカバーできていればそれが「チーム」だけれども、みんなでスパイクミスを積み重ねてどうする。

単独のスパイクミスは目立たない事が多いけれども、このスパイクミスとサービスエースやブロックが絡んで連続得点になったりすると、試合の流れというのは一気に相手チームに移っていってしまうことになる。

これだけスパイクミスを出していれば、どうしても相手のサービスエースやブロックと絡みやすくなってくる。

単発ならばサービスエースもブロックも、それほどダメージにはならないのに。



アルゼンチン戦のスパイクミス率

清水 24.2%(打数33)

福澤 22.7%(打数22)

米山 13.3%(打数15)

石島 16.6%(打数12)



第1セットでいきなりアルゼンチンに9点まで走られた時、阿部とアタッカーのサインミス2本も実にもったいなかったけれども、清水と福澤が1本ずつ喰らったブロックも安易過ぎる。

バックアタックが白帯にかかってしまうケースはこの大会を通じて多く感じるし、福澤・清水ばかりかチーム全体がスパイクを打ち下ろし過ぎている印象がある。

あるいはアタッカーが自分でイメージしているほど跳べていないか。



「なんなんだ、このディグ力は!」と驚かされたフランス戦では、相対的に日本のディグ力は貧弱に見えました。

しかしこのアルゼンチン戦では、1・2セットとディグもよく上がっていました。

第2セットを取れたのも、日本がラリーを取れなくても素晴らしいディグでしつこいバレーを見せて、5000人入った会場が沸いて、ゲームを支配することができていました。



だからこそ、『決定率』や『効果率』ではなく、スパイクを決めきれなくても相手の攻撃を制限するだけの『崩すスパイク』があればもっと楽に戦えたと感じるのですよね。

サーブで相手を崩すのと同様、スパイクで相手を崩すことによってもっとディフェンスを楽に、そして切り返しの攻撃を楽にしていく状況を作っていく。

効果的なワンタッチとディグでラリーを作っていくことができていただけに、ゲームを支配していくチャンスは充分にあった。

スパイクで相手ディフェンスを崩していくという意識が見られなかったことがとてももったいない。



試合の中で決定率や効果率を参考に選手起用をしていくことは間違った事ではないけれども、もうちょっと数字に出にくい効果に目を向けることはできないものだろうか。

サーブで『決める』だけではなく、サーブで『崩す』効果。

それと同様の価値を、スパイクで『崩す』効果にも認め、安易なスパイクミスを減らしていくことが大事なはずだ。

両日のスパイクミスの数字を見ていくと、清水と福澤の数字が悪すぎる。

日本を代表するウィングスパイカーとしては、引き出しが少なすぎることも問題。





そしてもうひとつ。

アルゼンチンと言えばミリンコビックがいて、ライト側からどっかんオープン攻撃がドカンと来るという、1990年代型の相手にしやすいチームという印象を持っていたのですが、いつの間にか世代は変わっておりまして…

それでも『速い攻撃』というのがパラレルで襲ってくる印象はそれほどなく、所詮『時間差』の勝てない相手ではなかったと思うのです。



1・2セットのディグが良かったのは、ブロックディフェンスがかなりよく機能していたから。

それがおかしくなってきたのは、『敗因は15本のサーブミス』というフランス戦の敗因の解釈。

アルゼンチンのレセプション成功率は60.8%。



アルゼンチンのレセプションは『同時多発・位置差攻撃』の起点として、コート中央にボールを上げるスタイルではなく、あくまでもクイックを起点とした『時間差攻撃』の考え方の、ネット際のセッターにボールを送り込むスタイル。

これがセッター前衛で前2枚のディフェンス有利な状況で、セッターのジャンプトスにブロックが1枚付かざるをえない状況になると、そういう場面でアルゼンチンがクイックを使いはじめる。



『カットそこそこキャンペーン』を展開中の私ですが、長身セッターのこの効用は認めざるを得ない。

これが機能していたはずの日本のブロックを分断しはじめる。

アルゼンチンセンター陣の攻撃が決まりだして、日本のミドルブロッカーがセンターにコミットで合わせようとしはじめると、今度はパイプ攻撃が飛んで来る。

ただでさえミドルからの攻撃はフロアディフェンスが難しいのに、ブロックディフェンスがバタバタされては上がるものも上がらない。



そして結局、アルゼンチン戦の敗戦の大元は、フランス戦の敗因を『15本のサーブミス』としてしまった事にあるんだよ。

『サーブミスに見合った効果』というものをサーブに求めていれば、もっとサーブで攻めていける。

そして次のステップとして『それぞれのサーブの攻撃意図に基づいたディフェンスの動き』や『チーム全体としてのサーブ戦術』のような話が始まる。



サーブの攻撃意図が薄まれば、相手のファーストサイドアウト率も高まってくる。

ファーストサイドアウト率が高まれば、相手はどんどんサーブミスの数が増えるリスクを背負い込める。

リスクを背負い込めるなら、相手のサーブはどんどん強く厳しいものになってくる。



はい。日本ではこれを古くから「サーブレシーブが悪いから負けた」と言います。

そして「相手に簡単に得点を与えてしまうサーブミスはもったいない」と言い出します。



サービスエースを取れなくても、サーブで『崩す』方法はあるはず。

『崩す』までいかなくても、サーブで相手の嫌な攻撃を使わせない効果を狙うこともできるはず。

個々の力が足りなかったとしても、チームとして意図的なサーブを組み立てて相手を嫌がらせることもできるはず。



安易な敗因分析は、もうそろそろやめにしてほしいものですね。

バレーボールは将来、テニスのような競技になると言っている人の話も聞いたことがあります。



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アップゾーンでギラギラと出番を待っていたのは米山裕太だったわけですよ。



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「日本に何かが起こった」/世界バレー 日刊スポーツ



大きな大会で勝ち上がっていくためには、ラッキーボーイとかラッキーガールのような、その大会で輝きを見せるプレイヤーが出てくることが不可欠。

そういう選手はアップゾーンで「俺が出ていればこうやってやる」とギラギラと目を輝かせながら出番を待っている。

バレーの神様はこういう選手が大好き。



そしてちびっ子レフトがギラギラしていると、私が憑依する。

実況でちびっ子レフトエースのメンタリティが爆発した。







日頃、全日本男子実況をやる時には、「まずは俺」などツーを繰り出す阿部裕太をいじりながらやっているものだから、「俺に持って来い」と始めた時に「俺」が誰だかわからなくなったようで、ちょっとタイムラインを混乱させてしまったようです。

応援しているチームにチビっ子レフトエースがいて、チームが負けそうになったりすると、「俺に持って来い!」って始めたりすることがたまにあります。

たとえ女子の試合でも。



それをたまたま見かけたお知り合いの方、そんな時は「レフトに集めろ!」と、全力でフォローしてください。

たぶんそういう時は、『エース』にバレーの神様が降りかけている場面ですので、みんなで乗っかっちゃうとバレーの神様が面白がるので大逆転劇が見られるはずです。

エースとはキチガイ稼業。そしてバレーの神様はバレー馬鹿が大好き。





少し気になっていた石島雄介

私、ついっとの最初のほうでつぶやいていますが、この世界選手権一次ラウンド1・2戦やインタビュー映像などを見ていて、ゴッツが内側を向いていることが気になりだしたのですよね。

イラン戦敗戦の後に『気持ちの問題』を口にしたゴッツ。



きちんとモチベーションが高まって、コンディショニングを整えて大会に入ることができたプレイヤーは、もっとこう「みんなでぶつかっていけばなんとかなる」というお気楽さに「あとは俺がなんとかする」という自尊心が溢れてきたりして、それが伝わってきたりするものです。

自分のコンディション的に何かあるのか、チームの中に自分が前に出られない何かの要素があるのか、そういったことはわからないけれども、エースがエースとして『オラオラ』を出せない雰囲気を感じ始めた。

何かこう、『自分はやるべきことをやっているから悪くない』と、自分を守りに入っている感じ。



センター・ライトで賑やかして勝てる相手だったら、エースはレセプションに集中していればいいのよ。

『清水が大活躍!』なんてのがそういう試合。

レセプションに入らないプレイヤーは1セットに30点取っても所詮『ポイントゲッター』。

『エース』ってのは目立たない部分でチームを背負っているからこそ、勝負どころでバレーボールの神様が降りてくるポジション。

全体のために黙々とレセプションをしていたり、スタメンではなくても常にチームが前に進むことだけを考えていたり。

『いざとなったら俺が』そう思いながら目立たないことをきちんとやっているからこそ、いざという時にバレーの神様が降りてくる。

それが『エース』。



スタッツは見ていないけれども、ゴッツはとりあえず1・2戦では、コートから下げられない程度にきちんと個人の数字はまとめてきていたのではないでしょうか。

負け試合でも個人でやるべき事はきちんとできているという数字で、『スパイクが明らかに弱気』とか『効果率が低い』とか『スパイクミスが多い』などのメンバーチェンジする決定的な要素が見えてこない状況。

何か問題を抱えているのだとしても、数字をまとめるところまで持ってきているのであれば、それはそれで立派なこと。



でも、センターやライトのプレイヤーなら自分の責任範囲をまとめればそれでよいのでしょうが、エースの出番は試合が苦しくなってきてから。

無難にまとめる『だけ』ではプレイヤーにはバレーの神様は降りてきません。

ゴッツは荻野がいた時代に、その背中をじっと見つめ続けてきたプレイヤーなのだから、もっとチームを背負わせてしまっても良いと思うのですよね。

植田監督は何かと福澤・清水の名前を出しすぎ。

まぁこれは同じVTRを何度も見せられていて、そういう刷り込みをされてしまっているだけかもしれないけれども。



チームの中で自己の存在証明をしなくてはいけない立場の選手の場合は、放っておいても自覚があればギラギラしてくる。

難しいのはそこである程度立場を確立してしまった選手。



根っからのバレー馬鹿だと、そこでも相変わらず突っ走っていくのでしょうが、なかなか今時そういう破滅型芸人的なキャラクターはいない。

いれば『突破者』として君臨して、こんなに試合のたびに苦しまなくても済んでいる。



越川の役回りはスター。魚顔だけど。

自分でルートを切り開いて我が道を行くイメージを持っているけれども、それだけに『背負う』のはちょっと違う気がする。

ぐゎっ!と来るものはこれまで試合で何度も見せてもらっているので、自由にさせながら、チームとリンクをした時にガツンとやってくれればいい。



やはりゴッツ。

実際はどうだかわからないけれども、清水・福澤中心と聞かされ続けて、立ち位置に迷ってしまっているのではないかな。

ゴッツの繊細さというかナイーブさというのは、ブラジルに行っていた頃の映像などでよく感じるところだけれども、まぁ『男子三日会わざれば刮目して見よ』なんて言うし『立場が人を作る』なんてことも言う。



もうゴッツをチームの真ん中に据えちゃっていいと思うのですよね。

ホンモノ…というか真性ならば、肩書きとかはむしろ邪魔になるのだけれども、この大会でこのまま終わってしまうならば『「エース」の自覚を持たせるために「キャプテン」』という肩書きを与える必要が出てくるのかもしれない。

肩書きを与える必要がある『エース』っていうのは二流なんだけどもね。



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チーム作りってのは難しいね。



でもなんとか二次ラウンドに進出した全日本男子。

ようやくラッキーボーイも出てきたし、これから試合を積み重ねていけば、越川がスターらしさを発揮する試合も出てくるだろうし、D作がギラギラする試合もあるかもしれない。



本番だからね。

守りに入らないで、やれそうなことを全部やらかして見せて欲しいものです。


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