国内のプロ野球はシーズン全日程を終えて秋季練習を行っていますが、セリーグ優勝の巨人原辰徳監督がこれからのプロ野球のために大胆な提言を2つしました。

ひとつはセリーグでのDH制導入。日本シリーズでパリーグのチームが7連覇しているのはDH制があるからと考え、バッティングに秀でている選手を今まで以上に加えられるし、投手は切れ目のない打線と戦うことで技量向上が期待できるのではないかと考えているようです。そんな原監督の考えについて、スポーツ報知が巨人ファンに向けてネットでアンケートをとったところ約4分の3の人が賛成しているとか。見ているファンとしては、ピッチャーが打席に入って攻撃の流れが停滞するよりもDHが打席に入ることでいつ点が入ってもおかしくない状況を作るべきと考えている人が多いようですが、私はリーグのアイデンティティを守るためにはDH制は導入すべきではないと思います。セリーグもパリーグもDH制を使うようだと、これまでできたセリーグの個性が壊れてしまいそうで怖いんです。それを犠牲にしてでも強くしないといけないという気持ちはわかりますが、若手選手の育成の仕方などリーグの土台を揺るがすことなく見習えるところから取り組む方がいいと思いますが。横浜DeNAの中畑清前監督もDHだけがパリーグが日本シリーズで勝てる要因ではなく一貫した育成体制を確立していることも要因なんだとスポニチのコラムで語っています。

もう1つはFAの人的補償を廃止すること。新たな選手を迎え入れることがうれしいことだけでなく、誰かと引き換えになることで悲しいことにもなってしまうからというのです。私はこの意見には賛成します。FA移籍で大物選手が加わるのと引き換えに若手選手が新天地に向かうことで飛躍のチャンスを掴むこともありますが逆に信頼関係にあった指導者と選手を一方的に引きはがすことにもなってしまいます。というか、プロ野球選手会が出場機会に恵まれない選手のために提案している「現役選手ドラフト」がFA人的補償の機会がない球団に魅力的なものになれば、原監督の不安はすぐに解消できるとも思っていますが。

これからのための提案は決して無益になるとは思いません。きっと何かのヒントを与えてくれると確信しています。では、また次回です。
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ラグビーワールドカップ日本大会は11月1日の3位決定戦と2日の決勝を残すのみとなりましたが、10月29日に発売された2つの週刊誌に日本大会での「おもてなし」について同じテーマの記事が書かれました。

そのテーマとは喫煙所。ラグビーワールドカップの開催会場には形はどうであれ喫煙スペースが設けられたとか。広いところもあれば狭いところもあるし、テントに灰皿を置いたようなところもあったそうです。ただ、会場によってはどこにあるかわかりにくく通路をあちこち歩きまわるような人もいたとも書かれていました。細かいところでトラブルが起きてしまいましたが、愛煙家はもちろん、多くのファンから好印象を持たれたそうです。組織委員会ではあらゆる文化を背景にする人が集まるので喫煙所の設置をとがめることはなかったとか。試合を楽しめるようにするためにできる限りの配慮を採るのがおもてなしと考えれば、喫煙所というのは決して害になるだけではないというのが記事の主張のように見えました。

さらに記事では来年のオリンピック、パラリンピックでここまで寛容にできるかが問題ともしています。IOCでは最近のオリンピックで「煙のないオリンピック」を実現させるように開催各国に求めています。ですから開催都市では禁煙を徹底するようになっています。東京もご多分に漏れず飲食店での全面禁煙が進むようになりましたし、公共施設での喫煙所も少なくなりました。極端に言えば、たばこは自宅でなければ吸えないくらいになってしまいます。タバコを吸わない人に煙の害が及ぶ受動喫煙を防止するためとはいえここまで制限するのはどうかという声があるのも現実ですが、ラグビーワールドカップ日本大会の組織委員会が下した決断の流れに逆行していると考える人もいるかもしれません。でも、寛容さというのは喫煙所を設けるだけではありません。喫煙所というのはone of themであって、これからどんな形で寛容なおもてなしができるかというのが求められるかもしれません。

では、また次回です。
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23日にSMBC日本シリーズが終わり、福岡ソフトバンクが3年連続の日本一を史上初のポストシーズン10連勝で飾りました。ジャイアンツ-ホークスの日本シリーズで4連勝のスイープ決着となったのは「杉浦忠4連投4連勝」「御堂筋パレード」で知られる南海時代の1959年(昭和34年)以来60年ぶり。2度目のスイープ達成は今年で70回目となった日本シリーズで初の快挙です。一方、ジャイアンツが4連敗で日本シリーズを終えたのは1990年に西武ライオンズに敗れて以来3度目。日本シリーズで2度スイープを喫した唯一の球団だった巨人としてはワースト更新となってしまいました。

先ほどもふれましたが、日本シリーズは今年で70回目。誕生当初4年間は「日本ワールドシリーズ」という名前で行われ、現在の「日本選手権シリーズ」になってからでも66年目なんです。その長い歴史でホークスの日本一が10回目だったというのは何となく意外な感じ。セ・パ分立直後の1950年代前半こそパリーグの王者として君臨していましたが川上哲治さんや別所毅彦さんが主力で戦後最初の黄金期を迎えていた巨人にことごとく敗れ、50年代半ば過ぎには三原マジックや「神様仏様稲尾様」の活躍などで急成長を遂げた西鉄ライオンズにパリーグの覇権を握られ、やっと日本一になったのは第10回大会のこと。対戦した当時の巨人はONがやっと揃うようになり、チームを率いた水原茂監督がこの年限りで退任するということで過渡期だったとも言えます。対して南海は若い力が確実に根付き鶴岡親分こと鶴岡一人監督の考えが浸透してきた頃。何となく今年のホークスとジャイアンツと重なる部分がありそうな気がします。その後に南海ホークスが日本一になったのは1964年の1回だけ。翌年からの巨人V9にぶつかるはチーム自体が弱体化するは…で日本一になかなかなれず、福岡移転から10年を迎えた1999年にやっと日本一になりました。そこから実は8回日本一になったことになるんですね。

パリーグが現在のクライマックスシリーズ制度を始めたのは2004年のこと。それ以降ポストシーズン全勝で日本一というケースはありませんが、ファーストステージ初戦に敗れて以降全勝の準パーフェクトというのも史上初なんです。単純に同一シーズンのポストシーズンで10連勝というのも史上初。福岡ソフトバンクは本気を出せば強いというのがよくわかります。言い方よくないでしょうけど、埼玉西武がリーグ優勝できたのはレギュラーシーズン後半にたまたま福岡ソフトバンクが調子を崩したからなのかなと思ってしまいます。元西武監督の東尾修さんは「厚かましいくらい強い」とホークスの強さを称していますが、これから数年の間もホークスが君臨する時代が続くかもしれません。

では、また次回です。
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ラグビーワールドカップ日本大会は13日に予選プール(グループリーグ、1次リーグとも呼ばれている)が終わり、19日からの決勝トーナメントまで一息入ったところ。台風の影響で史上初の試合中止というハプニングなどもありましたが、いろいろな意味で新しい風が吹いている感じがします。

何といっても、地元開催とはいえ日本が大躍進していることは大きな盛り上がりの要因になっていますよね。元々安全パイ扱いされてはいなかったとはいえ、予選プール全勝はいい意味で想定外だったかもしれません。ラグビーは番狂わせが起きにくいといわれていますが、天気も声援も味方につけ、そして戦術戦略に磨きをかけていくうちに番狂わせを番狂わせと思わせないような強さを身に着けた感じがします。世界ランキングで格上とされながらも日本に敗れたアイルランド、スコットランドの関係者は日本は本当に強いと受け止めたようです。世界のラグビー勢力図で横綱級の強さを誇るチームを「ティア1」と呼ばれています。その中にはワールドカップ優勝経験があるニュージーランドやオーストラリア、南アフリカなどが含まれていますが、それに匹敵する存在と日本は考えられるかもしれません。そういう躍進をしているのにサンウルブズのスーパーラグビー撤退はもったいないような気もします。

台風の影響で12日と13日の試合がいくつか中止になったのが大きな騒動になってしまいました。中止になったおかげで予選プール敗退が決まった国が出てしまったことが原因だったようですが、ある国の関係者は国際ラグビー連盟に当たるワールドラグビーと日本大会組織委員会相手に裁判を起こそうとしたとか。ラグビーは雪でも試合をやるという競技で中止なんてありえないと言われていました。それなのに台風で大きな災害が起こる可能性がある国でワールドカップをやるなんてどうなんだと日本開催に反対している人たちは思っていたようですが、中止条項を作っておいたから心配に及ばないと実施を踏み切った人たちの勇気はものすごいものです。台風の問題に直面してはしまいましたが一定の盛り上がりは得られたとして、将来的にはもう1回日本でワールドカップをやってもいいのではという意見もワールドラグビーの関係者の間で聞こえているそうです。「4年に1度じゃない。一生に1度だ」というキャッチフレーズ通りにはならないかもしれませんが、その日が来るのを楽しみにする人はきっと多いかもしれません。

では、また次回です。
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9日にノーベル化学賞の受賞者が発表され、その1人が旭化成の名誉フェローである吉野彰さんだったことが明らかになりました。スマートフォンなどで当たり前のように使われるリチウムイオン電池の実用化に大きく貢献したことが主な受賞理由だとか。私、テレビでこのニュースを見ていた時、てっきり宮崎県延岡市に会見場が設けられて社員や報道陣がものすごい勢いで集まっているのかなと思い込んでしまいました。ですが、ほどなくテロップで東京本社に会見場が設けられたことがわかり拍子抜けしてしまいました。

失礼なものいいかもしれませんが、まさか旭化成の名前をノーベル賞で聴くとは思ってもいませんでした。私の中では旭化成といえば毎回のようにオリンピックの男女マラソンで代表を送り出している陸上競技の名門というイメージしかありませんでした。だからこんなことも考えてしまいました。今年は東京オリンピックの代表選考レースとしてMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が行われましたが、旭化成の選手が男女とも出場できませんでした。MGC出場資格が懸かる大会が一通り終わり、旭化成の選手が一人も出場資格を得られなかったのをMGCを発案した瀬古利彦プロジェクトリーダーが「イヒっがねぇ…」と冗談交じりに嘆いていました。かつて放送された旭化成のCMコピーを持ち込んだコメントだったのですが、予想外のことでこれくらいのことを言わないと落胆の気持ちを沈められないと考えたのでしょうか。そして、陸上部の活動拠点がある延岡の人たちはもちろん、旭化成の社員たちもMGC出場者ゼロというまさかの事態には落胆したかもしれません(一応、3枠目を争うラストチャンスもありますが)。

そんな中での吉野さんのノーベル賞受賞です。延岡の人たちはどうかわかりませんが、旭化成の社員の喜びは何倍にも増幅しているかもしれません。実は、去年も吉野さんの受賞が期待されていて東京本社に会見場が設けられていたものの、受賞ならずで「来年は期待していてください」と本人があいさつしてお開きになったとか。そういうことがあったからこその喜びがあったとも言えますが、MGCのことも重なって喜びは増しているだろうと信じたいところです。そして、今度は吉野さんの快挙を追い風にして陸上部の選手がマラソン五輪代表ののラスト1枠をつかみ取ってほしいという期待も増してくるかもしれません。

では、また次回です。
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