先回の記事からまた2本,映画を観た。

どちらもシネマフロンティアで,1つは"午前十時の映画祭"の『イヴの総て』,もう1つは巷でも話題騒然の『ジーサンズ~はじめての強盗』である。

6月はこれで10本,観たことになる。月の本数としては最高記録だ。

しばらくはそんなに観たい作品もないので,おとなしくしているつもりだが,1950年作品の『イヴの総て』は本当に名画と呼ばれるにふさわしい素晴らしい作品で,公開中にもう1度観にゆくつもり。

いやぁ,しかし…『ジーサンズ』は文句なしに面白かったよ。高齢化社会や自分の老後についていろいろ考えさせられる映画だったけど。

あちこちで「ひどい邦題」だとか「犯罪を応援するのか」などの非難する声もあるようだが,平均年齢82歳の,揃いも揃ってオスカー俳優のお爺さんが3人で銀行強盗に挑んでくれようというのだから,面倒くさいことは言わなくたっていいじゃないか。

確かに"ジーサンズ"はひどいが,"はじめての強盗"というサブタイトルで無条件に面白そうな予感がして劇場に足を運んだ人がたくさんいるのではないか。

私が観た回は9割方,座席が埋まっていた(!!)。

それに,銀行強盗がいけないことだなんて百も承知だ。

あの爺さんたちに出来るんだから俺にだって出来る…と真似する輩もいないとは限らないが,老紳士3人が一世一代の賭けに挑む姿を観て生きる勇気と老後を迎える勇気を奮い立たせて欲しい…という意図で作られた映画なのだと私は思う。

ジョー(マイケル・ケイン)とウィリー(モーガン・フリーマン),アル(アラン・アーキン)はいつも一緒に遊んだり食事をしたり,テレビを観たりして老後を過ごす仲良し3人組。

質素ではあるが,おだやかな毎日を送っていた。

ある日,住宅ローンの返済額のこと(利子が高騰)でジョーが相談に来た銀行に3人組の強盗が入る。

全員仰向けになり手足を上に,と銃を向けて命じられるが,椅子から起き上がるのも一苦労のジョーは「足がつる」と懇願。

ジョーに銃を向けていた凝ったタトゥーの強盗は「年寄りを敬うのは社会の義務だ」と言い,ジョーにだけは手足をおろすことを許してくれ,行員に詰めさせた金を持って引き上げるのだが,ジョーは彼らの意外な人情と鮮やかな手口に感動すら覚える。

そんなある日,ジョーたちの40年以上勤めあげた工場が他社に吸収され,年金の支給を凍結させられてしまう。

説明会で一方的に告げられるだけで,どんなに抗議してもどうにもならないのだった。

このままだと安定した老後はおろか,住宅ローンが払えずジョーの家は差し押さえられてしまい,あと30日で金を作らなくては宿無しになる。

離婚して薄給だが女手一つで孫娘を育てている娘のためにも家を手離す訳にはいかず,ジョーはウィリーとアルに銀行強盗をしないかと持ちかける。

ジョーはとにかく孫娘のブルックリンが可愛くて仕方がないのだった。

14歳のブルックリンを毎日学校まで歩いて迎えにゆくほどで,彼女もそんなお爺ちゃんが大好き。「親友」と呼ぶ間柄なのだ。

同じく孫のいるウィリーは即OKだが,妙に真面目なところのあるアルだけが返事を渋る。

しっかしこの3人,ホントいつも一緒なんだよね。

ウィリーとアルはルームメイトで同居しており,ジョーは娘と孫と一緒に彼らの向かいに住んでいる。

だから毎日集まってダイナーでコーヒーを飲みパイを食べたり,4ドルビュッフェでご飯を食べたり,外で球技で遊んだり,部屋の中でテレビを観て喋ったり。

『ラブアタック(古っ)』みたいな番組を観ながら,3人のアタッカーの男性から女性が告白され1人を選ぶシーンにああでもないこうでもないとケチをつけて騒ぐところはおかしかったが,なかなかほのぼのしていいシーンだったな。

ガチでボケている友人(クリストファー・ロイド)を見て「俺がああなったら殺してくれ」だの,「書留には朗報なしだ」だの,電話を取るや否や「誰が死んだんだ?」…もお,"老人あるある"な台詞がそこかしこに。

笑っちゃいけないんだけど,ニヤニヤしちゃう。

そんな訳でまずはリハーサル…となり,スーパーで万引きをすることになった。

これがまた全くの無計画…!!

アルだけを車の中で待機させ,ジョーとウィリーが乗り込んでゆくのだが,無造作に服の中に商品を詰め込むだけなので,不自然な体型&動作で早速女性の警備員に目をつけられてしまう。

商品であちこち膨らませて車のある場所に戻ったものの,アルが車の中で待っていろと言ったにも関わらず店に入ってゆき,店員のアニー(アン・マーグレット)と話し込んでしまったものだから,さあ大変。

後ろからは,「待ちなさい!!」と女性警備員が追ってくる。

買い物を車に移しているお婆さんから電動カートを奪ったジョーは,即座にウィリーに荷台に乗るように命じるのだが,「俺はE.Tか?!」というウィリーの台詞でまた笑った。

それでも捕まりたくなくて,2人乗りで走り出す。

追ってくる警備員に荷台から次々と万引きした食品を投げつけるウィリーだが,極めつけは小麦粉。

頭上に上げた袋から小麦粉を撒き散らすモーガン・フリーマンの笑顔のキラキラしていることといったら,なかったよ。

あそこはあの映画の名シーンの1つ(笑)。

粉まみれになった警備員は,ヤクの売人さながらの姿に。

だが,目の前にバスが走ってきて追突寸前でジョーがハンドルを切り,運よく怪我はしなかったものの,2人はとっ捕まってしまう。

店内のカメラに映る姿で挙動不審とされたアルも一緒に捕まり,警備室で3人仲良く叱られる。

でも,このスーパーの警備員さんたち,怒りはするけど優しくて,警察に3人を突き出すこともせずクーポンまでくれる(笑)。

すっかり自信をなくし,自分たちだけでは強盗は無理と悟った彼らは,そのテの方面に明るい(?)指南役が必要だという結論に到る。

そこで,ジョーは大麻を密売している娘の元旦那を訪ね,誰か「悪い奴」を紹介してくれと頼むのだった。

ドゥなることやら…!!

疲れてきたから,続きはまたね。
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2件のコメント


  1. byMotchy on 2017年6月30日 @18時05分

    なんと細かい説明!その通りすぎて鮮やかに蘇りました!!そうです!あの小麦粉のシーン!ニヤニヤするほど全く同じ感想です!なんて楽しそうにおちゃめな笑顔なんだ!って声だして笑っちゃいましたもん(笑)。あのシーン、ジョン・ウー監督なら間違いなくスローモーションで、無意味になが〜〜く流しただろうな……違っててよかった(笑)。
    前半から切ないのに、微笑ましくて、さすがあの3人だからこそですよね!

  2. by美香輔 on 2017年7月1日 @3時45分

    >Motchyさん
    いやぁ、モーガン・フリーマンの笑顔はホントに魅力的でしたよね。いい歳こいて無茶をした訳ですが、後で警備室で叱られはしても間違いなく逃げてるときは楽しかったんでしょう(笑)。ジョン・ウーのスローモーションであの女性の警備員さんが粉まみれになるところを撮影するのはちょっと可哀想かも(笑)。
    変にみすぼらし過ぎずに上手く枯れた感じを出すことが出来るのもあの3人だからこそ。爺ちゃんになっても品格がにじみ出るのはどうしようもないですよね。
    しかし、私はアラン・アーキン演じるアルがセッ〇ス3回というのに笑いました。
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